FOMC:初回利上げに向け「辛抱強くなれる」

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米連邦公開市場委員会(FOMC)は16、17 両日開催した定例会合後に声明を発表し、事実上のゼロ金利政策維持に 関する「相当な期間」という文言の入ったガイダンスを変更し、初回利 上げまで「辛抱強くなれる」との姿勢を表明した。

声明は「委員会は金融政策スタンスの正常化の開始においては辛抱 強くなれると判断している」と指摘。時間的な表現をやめ、経済統計へ の対応で一段の柔軟性を確保したといえる。さらに、ゼロ金利政策を 「相当な期間」維持するとの「前回の声明と整合性がある」と表明し た。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのグローバル・エコノミス ト、ジェイ・ブライソン氏は「辛抱強さ」に関する文言について、当局 者が柔軟性を高めようとしている」と解説。「これで経済統計次第とな り、当局者は辛抱強さの意味を解釈できるようになる」と述べた。

FOMCは労働市場について、「一層改善した」と判断し、「労働 力の活用不足は引き続き解消に向かっている」と指摘、これまでの声明 にあった「徐々に」という表現を削除した。

連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は声明発表後の記者 会見で、金融当局者が今後、経済統計に反応していくと発言した。

さらに、「少なくとも今後数回の会合で正常化のプロセスが始まる 可能性は低い」と述べ、「初回利上げの時期とその後の軌道は経済状況 次第だ」と続けた。

ガイダンス変更

ガイダンスの変更は緩和政策からの脱却に向けた新たな一歩となっ た。予想よりも速い失業率の低下が来年の利上げを後押しする一方、原 油など商品相場の下落はインフレ率を当局の目標未満にとどめている。

FOMCは「委員会はインフレの動向を引き続き注視していく」と 強調。「インフレ率は2%に向けて徐々に上昇する」との見通しを示し た。

この日の声明は原油安とロシア通貨危機に端を発した世界的な市場 混乱には言及しなかった。

ブライソン氏は「当局者は全てを検証している」としながらも、 「米経済に集中することを望んでいる」と語った。

四半期予測

四半期ごとに発表されるFOMC参加者の予測によると、今後2年 間の利上げペースは前回9月時点の予測に比べ鈍化した。完全雇用につ いては来年末までに達成すると予想。来年の個人消費支出(PCE)価 格指数については、目標を下回る1-1.6%上昇になるとの見通しを示 した。

10月の声明と同様、FOMCは雇用とインフレに関する目標に向け た進展が予想より速い場合、利上げペースは加速とする一方、進展が予 想より遅い場合は利上げが遅くなる公算があると指摘した。

FOMCは保有する償還元本を住宅ローン担保証券に再投資する方 針を維持した。3弾にわたる量的緩和で金融当局のバランスシートは過 去最高の4兆4900億ドルに膨れ上がっている。FOMCは10月の会合で 資産購入の終了を決定した。

今回の決定に対しては、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁、フ ィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、ダラス連銀のフィッシャー総裁 の3人が反対票を投じた。コチャラコタ総裁は今回の決定について、 「2%のインフレ目標の信頼性に過度に下向きのリスクを生じさせた」 と指摘した。

プロッサー総裁は「フォワードガイダンスの鍵となる要素として時 間の経過の重要性を強調すべきではない」と主張。フィッシャー総裁は 「米経済の改善により、FF金利の引き上げが適切となるとみられる時 期は前倒しされた」との判断を示した。

原題:Fed Vows Patience on Rates While Dropping Considerable Time (3)(抜粋)

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