NY外為:ドルは5年ぶり高値付近、利上げ観測で

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ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。 ドル指数は5年ぶり高値に接近した。イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が早ければ4月の利上げ開始に向かっていると示唆した ことが背景にある。

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明のガイダンス部分では、 「相当な期間」低金利を維持するとの表現が変更された。ドルはこれを 受けて主要通貨の大半に対して上昇。ルーブルは反発。ロシア財務省は 通貨急落に歯止めをかけるため、外貨準備を売却したことを明らかにし た。

プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ投資ストラテジスト、 ロバート・ティップ氏は「状況の変化はめまぐるしい。信用市場が急速 に持ち直し、雇用者の伸びが加速する場合に来年半ばまでに金利を大き く引き上げる選択肢を残しておきたいのだろう」と分析。「ドルにとっ ては強力な環境だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.9%上昇して1121.16。5 日には2009年3月以来の高水準となる1122.34で引けた。

ドルは対円で1.9%高い1ドル=118円86銭。10月以来で最大の上 げ。前日は115円57銭まで下げていた。対ユーロでのドルはこの日1.4% 上昇して1ユーロ=1.2342ドル。3カ月ぶりの大幅高。円は対ユーロ で0.5%下げて1ユーロ=146円43銭。前日までの2日間では1.6%上昇 していた。

ルーブル、ユーロ

ロシア中央銀行が金融システムの安定回復を目指す一連の措置を発 表し、ルーブルの急落に歯止めがかかった。前日には予想外の大幅利上 げで、政策金利は10.5%から17%に変更された。この日のルーブルは対 ドルで60.2205ルーブルと、前日比11%上昇。年初からは47%の値下が り。

ユーロはウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたクー レ欧州中央銀行(ECB)理事の発言を受けて下落。同理事は政策委員 会では一段の措置が必要だという意見で、幅広いコンセンサスが見られ ると同紙に対して発言。「何かをするべきかどうかよりも、むしろそれ を実施する最良の方法について協議している」と話した。

トロント・ドミニオン銀行の通貨担当チーフストラテジスト、ショ ーン・オズボーン氏はクーレ理事の発言について、「米当局が来年の利 上げを検討している現在、欧州では追加緩和がすぐそこに来ていること をあらためて思い起こさせる」と指摘。「来年に向け、政策方向の違い を浮き彫りにした」と続けた。

イエレン議長、FOMC声明

イエレンFRB議長は記者会見で、ガイダンスのシフトは「少なく とも次の2会合で正常化プロセスが始まる可能性は低いと委員会は認識 している」と述べると、ドルは一段高となった。

FOMCの次の会合は来年1月28日。3月18日、4月29日と続く。

FOMC声明は「委員会は金融政策スタンスの正常化の開始におい ては辛抱強くなれると判断している」と記述。時間的な表現をやめ、経 済統計への対応で一段の柔軟性を確保した。さらに、ゼロ金利政策を 「相当な期間」維持するとの「前回の声明と整合性がある」と表明し た。

米経済では成長が加速している一方で、原油安によってインフレは 抑制されている。この日発表された11月の米消費者物価指数(CPI) は0.3%低下。2008年12月以来で最大の落ち込みとなった。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査 責任者、ジェニファー・ヴェイル氏はFOMCについて、「『相当な期 間』という表現を取り除いてもなお、利上げを先送りする逃げ道を残し ておきたいようだ」と分析。「ドルに対する市場の強気な見方に変わり はない」と続けた。

原題:Dollar Approaches 5-Year High on Yellen Rate View; Ruble Gains(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Daisuke Sakai、Kevin Buckland、Mariko Ishikawa、Lenka Ponikelska、Fion Li、Paul Wallace、Lucy Meakin.

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