プーチン大統領が築いた経済システム、通貨急落で崩壊リスク

ロシアのルーブルが対ドルで2日間に18%急 落し相場が大きく崩れたことで、プーチン大統領が統治の土台に据える 安定というスローガンは危険にさらされている。

プーチン大統領の支持率はウクライナに対するスタンスを背景に過 去最高付近にあるものの、通貨危機で信頼が損なわれ、大統領の権威は 弱まる恐れがあると、モスクワ在勤のアナリストらは指摘する。

プーチン氏は1998年の通貨切り下げやデフォルト(債務不履行)と いった共産主義からの移行後の混迷脱却を公約し、99年にエリツィン元 大統領の後継に就任した。プーチン大統領は指導的地位に就いて以来ほ ぼ毎年、経済成長と賃金上昇を達成してきたが、ここにきて原油価格の 急落と欧米諸国の経済制裁という最大の難題に直面している。

モスクワの独立系政治アナリスト、ドミトリー・オレシュキン氏は 「プーチン大統領は秩序をもたらし生活水準の向上に寄与した強いリー ダーだと人々は考えていた。同じプーチン大統領であり、引き続き全権 を握るものの、あらゆるものが崩れつつある」と指摘した。

ロシア中央銀行は16日に16年で最大規模の利上げを実施し、政策金 利を17%に引き上げた。それでもルーブル安に歯止めはかからず、1ド ル=70ルーブル前後まで急落。原油価格は1バレル=60ドルを割り込ん でいる。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月 9日のリポートで、ロシアが国内総生産(GDP)の4分の1をエネル ギー産業に依存していると分析している。

ルーブル急落とそれに伴う不況は、プーチン大統領が過去15年間築 き上げた原油主導の経済システムの崩壊を意味すると、国営天然ガス会 社ガスプロムの関連金融機関ガスプロムバンクの幹部は匿名を条件に語 った。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)の新興市場担当チーフエコ ノミスト、ニール・シアリング氏は、金利上昇で家計や企業向けの融資 が細り、差し迫るロシアのリセッション(景気後退)が深刻化するだろ うと予想した。

原題:Putin’s Mantra of Russia Stability Unravels as Ruble in Meltdown(抜粋)

--取材協力:Irina Reznik、Stepan Kravchenko.

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