菱地所社長:今期業績上振れの可能性も-賃料上げ順調、物件売却

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時価総額国内最大の不動産会社である三菱地 所の今期(2015年3月期)連結業績は、10月末に上方修正した予想がさ らに上振れする可能性がある。オフィス賃料の値上げが順調に推移して いるのに加え、保有物件の売却などが背景にある。

杉山博孝社長(65)は、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュ ーで、上方修正した予想値について「まだ見直しを行っており、最終的 にどういう形になるかはわからない」とした上で、「その後の状況も精 査しているが、若干上向きになる可能性もある」と述べた。同社は10 月、連結売上高予想を従来予想比250億円増の1兆1040億円、営業利益 予想を同130億円増の1470億円にそれぞれ上方修正していた。

杉山社長は、昨年後半から賃料が上げられる状況になっており、 「この流れは当面続くだろう」との見方を示し、「テナントさんとの今 までの信頼関係のなかで、引き続き10%程度の増額で進めていけるので はないか」と語った。値上げ幅は新規ビルが5-10%程度、既存ビル が10%程度で交渉しているという。

同社は千代田区丸の内のビル3棟建て替えに伴い、みずほ銀行前本 店ビルの土地建物信託受益権をみずほフィナンシャルグループに1590億 円で売却する。今期の特別利益として約365億円を計上する予定だが、 純利益予想は600億円で据え置いていた。

同社の株価は報道を受けて一時前日比31.5円(1.3%)高の2472円 を付けた。報道前は同9.5円安の2431円だった。終値は11.5円(0.5%) 安の2429円。

総合不動産サービスの米ジョーンズ・ラング・ラサールの赤城威志 リサーチ事業部長によると、2014年の優良オフィスビル価格は2割以上 上昇しており、15年も少なくとも1割以上上昇する見込み。また、三鬼 商事によると都心オフィスの空室率は17カ月連続で下落傾向にあり、11 月は5.55%だった。

M&A

同社はEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益) を総資産で割って算出した「地所型ROA(総資本利益率)5%以上」 を目指している。杉山社長は目標達成について「大きな販売益がない時 は若干下回る状況がある」と分析し、計画的な達成を目指す。2015年3 月期の同指標は4.7%を予想している。

賃料アップのほかに、企業の合併・買収(M&A)も成長ドライバ ーの1つ。同社は今年、丸紅の住宅管理会社を取得し、管理戸数が12万 戸上乗せされ、30万戸になった。また、米国の投資マネージメント会社 を買収し、運用資産拡大を見込む。

三菱地所は投資開発とマネジメント・サービスの各事業の価値を連 鎖させるバリューチェーンの強化を長期経営戦略に掲げている。杉山社 長は「我々が成長を目指している分野でのM&Aは今後もやっていきた い」との考えを示した。買収先企業とのシナジーでバリューチェーンを 強化し、管理や仲介などからの手数料拡大も狙う。

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