罪のない子供たち132人の死、パキスタンの転機となるか

2001年9月11日の米同時多発テロの犠牲とな って約3000人が死亡した後、当時のブッシュ米大統領は世界各国の首脳 に対し、テロリストの側に付くか、米国の味方になるか、そのどちらか しか選択肢はないと告げた。

パキスタンはその両方の側に居続けている。同国北西部の都市ペシ ャワルで16日、イスラム過激派「タリバン」の武装組織が子供132人を 含む141人を殺害。この事件で浮き彫りになったのは、テロに対して中 途半端な姿勢を示していたために高い代償を強いられたという現実だ。

パキスタンのシャリフ首相はペシャワルで記者団に対し「テロとの 戦いにおける決定的な時が来た」と表明。「パキスタンの人々はこの戦 いで結束すべきだ。われわれの決断はこのような攻撃によって揺らぐこ とはない」と明言した。

今回のような陰惨な攻撃がパキスタンにとって米同時多発テロのよ うな意味を持つかどうかは分からない。タリバンはパキスタンでは米国 の影響力に対する正当な対抗勢力のように見なされている部分もある。

インドのムンバイを拠点とする政策調査団体ゲートウェイ・ハウス でテロに重点を置いて研究しているアソシエートフェロー、サミール・ パティル氏は「米国に対する反感は常にあり、国民の反応を複雑なもの にしている」と指摘。「暴力行為の増加は、アフガニスタンでのタリバ ンとアルカイダに対する米国の攻撃と関連付けられさえしている」と語 る。

殺された罪のない子供たちの顔写真が次々と示される中で、イスラ マバード在住の防衛アナリスト、タラト・マスード氏は事態は一線を越 えた可能性があると考えている。「政府と軍はこの機会を変革のきっか けにできる」とし、クーデターが頻発するパキスタンではあまり例がな いが、武装勢力を打倒するために政府と軍が協力する必要があると説 明。「手をこまねいて次のテロ攻撃を待っているわけにはいかない」と 軍幹部を退役した同氏は述べている。

原題:Why 132 Dead Kids Might Not Change Pakistan Terrorism Policy (1)(抜粋)

--取材協力:Khalid Qayum、Kamran Haider、Terry Atlas.

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