11月貿易赤字は原油安で前年比2カ月連続縮小-輸入減少

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輸出から輸入を差し引いた貿易収支の11月速 報は、赤字幅が市場予測を下回り前年同月に比べて2カ月連続で大幅に 縮小した。輸出が3カ月連続で増加した一方で、輸入が原油安を受けて 3カ月ぶりに減少したのが主な要因。

財務省が17日発表した貿易統計によると、貿易赤字額は前年同月 比31.5%縮小の8919億円で、29カ月連続の赤字となった。前年同月は1 兆3011億円。輸出は4.9%増の6兆1889億円、輸入は1.7%減の7兆807 億円だった。ブルームバーグ・ニュースの貿易赤字の予想中央値は9920 億円で、輸出は7%増、輸入は1.6%増。

輸出の内訳をみると、中国向けのIC(集積回路)など半導体電子 部品が前年同月比14.7%増、液晶デバイスなど科学光学機器が12.6% 増、金属加工機械が17.6%増と好調だった。一方で、前年同月のシンガ ポールやリベリア向け船舶輸出の反動減の影響などもあり、数量指数 は1.7%減と3カ月ぶりに減少した。

地域別では米国向けが6.8%増と3カ月連続で増加。生産拠点の海 外進出によって自動車の輸出減少が続くなか、レールなどの鉄鋼や建 設・鉱山用機械などシェールガス関連の輸出が押し上げた。一方で、欧 州連合(EU)向けはオランダ向けの映像機器やアイルランド向けの医 薬品などが大幅に減少し、1.3%減と18カ月ぶりに減少に転じた。中国 向けは0.9%増と3カ月連続の増。

輸入は原粗油が21.6%減と4カ月連続で大幅に減少。石油製品 が15.9%減、石炭が21.2%減と燃料輸入が軒並み減少した。原粗油の輸 入単価はドル建てで前年伸び率19.5%減の1バレル=90.7ドルと2010 年12月(86.21ドル)以来の水準だった。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは発表後のリポー トで、貿易収支の見通しについて輸出はやや弱めで、輸入は非燃料輸入 も減少しており、内需不調を示唆していると指摘。その上で、「当面は 原油安を主因に貿易赤字が縮小しやすく、経常収支も黒字幅が拡大しや すい」とした上で、「原油安による黒字化圧力は日本にとって所得増を 意味する良い内容」との見方を示した。

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