米国債は上昇。原油急落によるインフレ低下 やロシア金融市場の混乱深刻化で逃避需要が高まり、この日は米国債だ けでなく主要国の国債が買い進まれた。

30年債利回りは2年ぶり水準に低下。インフレ率は目標の2%を下 回り続けているが、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合 では利上げに向けたタイムフレームについて話し合われる。ニューヨー ク原油先物相場はこの日一時1バレル=54ドルを下回った。そうした 中、ドイツや英国、日本の国債は値上がりした。為替市場ではロシア・ ルーブルが急落。ロシア中央銀行は政策金利を従来の10.5%から17%に 引き上げたものの、ルーブルの下落を止められなかった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「質 への逃避で資金が米国債に向かっている」と指摘。「焦点はFOMCに 移っているが、大半の投資家は原油の動きを見ながら取引している。ロ シアが不安の影響を最も強く受けている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.69%。同年債(表面利率3%、2044年11月償還) 価格は1 6/32上げて106 10/32。利回りは一時8bp低下の2.67%とな った。これは2012年9月5日以来の低水準。

10年債利回り

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は80.72と、10月以来の高水準に上昇し た。年初来の平均は61.77。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPを通じた米 国債取引高は4249億ドルと、5日以降で最高。年初来の平均は3322億ド ル。

10年債利回りは、10月16日以来の低水準となる2%に近づいた。そ れでも、主要7カ国(G7)の中では最も高い利回りとなっている。米 国債利回りの他のG7国債利回りの平均に対する上乗せ幅は83bp。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)世界ソブリン債指数を構成する 債券の平均利回りは1.6%。11月30日には1.59%と、13年5月以来の低 水準に下げた。

主要国の国債利回り低下

独10年債利回りは0.566%と、1989年にブルームバーグがデータを 取り始めて以降で最低となった。英30年債利回りは2.439%と、1996年 にブルームバーグがデータを取り始めて以降で最低。日本の10年債利回 りは0.365%と、少なくとも13年4月以来の低水準。

ブルームバーグがまとめたデータによると、先物市場は来年9月の FOMCまでに政策金利が引き上げられる確率を52%と織り込んでお り、前日の58%から低下している。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「あすのFOMCの声明内容をめぐ り市場は神経質になっている」と述べた。

ブルームバーグが先週後半、エコノミスト56人を対象に実施した調 査によれば、FOMCが政策へのアプローチを表現する上で「辛抱強 く」といった文言を採用するとの回答が68%に上った。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツの債券金利責任者、トーマ ス・ディガロマ氏は「あすのFOMC声明はややハト派寄りの内容にな るとの感触を得ている」と述べた。

原題:Treasuries Lead Sovereign Rally Amid Flight From Market Turmoil(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE