安倍政権継続でTPP交渉と農業改革加速との見方

14日に投開票された衆院選での自公圧勝で安 倍晋三政権の継続が決まったことを受け、農業改革と環太平洋連携協定 (TPP)交渉が加速するとの見方が広がっている。

東京大学の本間正義教授(農業・資源経済学)は、安倍首相が TPP交渉で農産物の輸入関税をめぐり譲歩することを容認する可能性 が高いと指摘。同首相がTPPに反対する全国農業協同組合中央会 (JA全中)の影響力を減じる動きに出るとの見通しを示した。本間教 授は2007年に第一次安倍内閣で、経済連携協定(EPA)交渉の加速と 農業改革の強化に関する提言をまとめた。

本間氏は安倍首相がTPP交渉で乳製品と食肉の輸入関税に関して 大胆な決断をすると予想していると述べ、衆院選で安倍政権が圧勝した ことにより農家を支持基盤とする議員の農業政策への影響力が低下する との見方を示した。

農業改革は金融緩和策に続いて安倍政権が計画している長期的構造 改革の一環。金融緩和策によって円安が進み、株価が上昇しているもの の、実質所得の増加にはつながっていない。農業団体はTPP交渉で日 本政府が譲歩すれば、高齢化が進む農家に打撃を与えるとして抵抗して いる。一方、米国の食肉・乳製品生産者は日本市場へのアクセスの拡大 を求めている。

円安の進行

日本銀行による過去最大規模の金融緩和で円はドルに対して7年ぶ りの安値に下落。飼料の輸入コストが上昇し、国内の畜産業者は困難な 状況に陥っている。世界最大の乳製品輸出企業、ニュージーランドのフ ォンテラ・コーポラティブ・グループの日本法人、フォンテラジャパン によれば、酪農業者と牛の飼育数が共に減少しているため、国内の生乳 生産は約30年ぶりの低水準に落ち込む見通しだ。

菅義偉官房長官は15日、TPPをめぐる安倍政権の方針に関する記 者団からの質問に対し、引き続き交渉を加速させるということで先般、 首脳レベルで一致していると説明。今回の選挙結果にかかわらず、国益 を踏まえながら交渉の早期妥結に向けて全力を挙げていきたいと述べ た。

原題:Abe’s Free-Trade, Farm Reform Efforts Seen Bolstered by Victory(抜粋)

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