【クレジット市場】安倍勝利でBBB格も投資対象へ、なくなる金利

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14日に行われた衆院選挙で安倍晋三首相が率 いる自民と公明の連立与党が大勝。金利を押し下げてきたアベノミクス は今後も継続する見通しとなり、社債市場では一段とリスクのある銘柄 を物色する動きが強まるとの見方が出ている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれ ば、選挙後の15日時点で日本企業の社債平均利回りは0.297%で、過去 最低水準に近づいている。国債利回りは10年物までの年限で0.4%以下 に抑えられており、SMBC日興証券や大和証券のアナリストは、債券 投資家はBBBクラスまで視野を広げる必要があると指摘している。

総選挙で3分の2以上の議席を確保した自公両党は、15日の連立合 意でアベノミクスを強力に推進するとしている。日興アセットマネジメ ントによると、安倍首相は過去最高益を上げている企業に対して、賃上 げで従業員に還元するよう働き掛けを強めていくとみられ、景気見通し を好転させ、リスク資産への投資を増やす一助になるという。

SMBC日興証券の阿竹敬之クレジットリサーチ課長は、「資金の 行き場がないため、リスク資産に資金を配分せざるを得ない状態となっ ている」と指摘。アベノミクスで金利が極端に低下し、AA格かA格で は利回りが低く、「BBB格やサムライ債などに投資するというスタン スが必要だ」と話した。

イールド追求

大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、日銀の大規模 金融緩和に加えて選挙結果を受け、「イールドを求めることを今まで以 上に意識せざるをえない状況だ」とし、「信用リスクを取らなければな らない状況に変わりはない」と話す。

10年債利回りは15日、0.375%まで低下。BOAメリルによると、 日本企業の社債平均利回りは9日に0.2957%となり、データが遡れ る1996年以降では最も低い水準。

投資家はリスクがある分、利回りの高い債券を物色しており、みず ほフィナンシャルグループやオランダのラボバンクの劣後債にも投資し ている。また、ソフトバンクは今月、4000億円規模の個人向け劣後債を 起債しており、ブルームバーグ・データによると、日本格付研究所 (JCR)からBBBプラスの格付けを得た社債の発行額は過去最高 の5600億円に達した。

15日付のBOAメリルのリポートは、安倍政権は約18カ月後に参院 選を控えており、景気回復に向けあらゆる手段を取ってくる可能性が高 いと指摘した。複数の政府関係者によると、政府は最大3兆円規模の補 正予算編成を検討している。

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