賃金上昇は日米英の中央銀行にとって朗報-世界経済押し上げ

日本銀行の黒田東彦総裁の給与がようやく引 き上げられ、先進国では賃金が上昇している労働者も増えている。

米国や日本、英国、ドイツの賃金が上昇に転じている。労働市場の 引き締まりで雇用主が賃金を引き上げざるを得ないためだ。すでに原油 価格の急落による恩恵を受けている家計部門にとってはさらなる朗報 だ。

黒田総裁の給与が前年度比1.3%増にとどまるなど賃金の上昇幅は 大きくなく、2007年末の米国のリセッション(景気後退)入り以前の水 準まで戻るまでの道のりはまだ長い。しかし、政策当局にとって現在の 賃金上昇は世界経済が回復基調にあり、成長が加速する可能性がある歓 迎すべき兆候だ。

米連邦準備制度理事会(FRB)の元当局者で、現在はドイツ銀行 証券のチーフエコノミストを務めるピーター・フーパー氏(ニューヨー ク在勤)は、「これは非常に望ましい進展だ」と指摘。「これこそが中 央銀行当局者が待ち望んでいたものだ」と述べた。

賃金上昇で消費余力が増し、エネルギー価格の下落で労働者の購買 力が高まるため、生産が押し上げられる見通しだ。ブルームバーグ・ニ ュースが12月5-10日に実施した38人のエコノミスト調査の予想中央値 では、15年の世界の国内総生産(GDP)は3.5%増と今年の3.2%増か ら加速する見込み。

クレディ・スイス・グループの世界経済・戦略担当共同責任者のネ ビル・ヒル氏(ロンドン在勤)は、「賃金上昇は消費の一段の加速を支 援するだろう」と指摘した。

原題:Rising Salaries Give Kuroda, Yellen and Carney Reasons to Smile(抜粋)

--取材協力:岩本正明.

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