日本水産がチリでサケ養殖事業を拡大、出荷量7割増へ

日本水産はチリでサケの養殖事業を拡大する 方針だ。漁場の一部をチリ南部に移すことで、2018年にも出荷量ベース で現在に比べて7割弱の拡大を計画。健康志向の高まりなどを背景にサ ケの消費量が新興国など世界的に伸びていることに対応する。

的埜明世取締役常務執行役員がブルームバーグとのインタビューで 明らかにした。「サケの需要は伝統的な欧州や日本、北米市場に加えて 中国やブラジルなど世界中の人々が食べ始めており、どんどん増加して いる」と指摘。その上で「世界の天然魚の漁獲量は頭打ち。養殖魚が世 界の需要を賄っているのが現実」と述べた。

国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると12年の世界の天然魚 の漁獲量は9251万トン、一方養殖魚の生産量は9043万トンと過去最高だ った。天然魚の漁獲量は80年代後半以降ほぼ一定なのに対して、養殖生 産量は年々増加傾向にある。

日本水産はチリの子会社サルモネス・アンタルティカ(SA)を通 じてサケの養殖事業を展開。現在の事業規模は出荷ベースで年3万ト ン。漁場のあるチリ中部のチロエ島周辺は養殖のためのいけすが密集し ており、チリ政府が魚病被害の拡大を防ぐためにも南部アイセン州への 事業分散を提案。この政府案に応じる申請を行った。

16年下期以降チリ政府からの許可が下り次第、日水は事業の一部を 南部の漁場へと移す。いけすなどの養殖設備を2-3年かけて移動す る。費用は20億-30億円程度を見込む。加工工場から距離的に遠くなる などのデメリットもあるというが、政府案に応じることでより広い漁場 を得ることができ、出荷量ベースで年5万トン規模に拡大する。

鉱物資源と同様に水産資源の確保をめぐり世界的に競争は激しくな っている。サケの養殖事業をめぐっては三菱商事がノルウェーやチリ、 カナダの3カ国で年間約17万トンを生産するノルウェーのセルマックを 約1500億円で11月に完全子会社化した。三井物産も昨年、チリの養殖大 手と現地に合弁会社を設立し、事業に参入している。

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