円が上下に振れる、日本株にらみの展開-対ドルで117円台も

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東京外国為替市場では、ドル・円相場が上下 に振れる展開。前週末の欧米株安を受けてリスク回避に伴う円買いが先 行して始まった後、日本株の下げ幅縮小に伴い円売りが優勢となるな ど、株価にらみの展開となった。

午後4時現在のドル・円は1ドル=118円30銭前後。週末に行われ た衆院選での与党大勝を受け、日本時間早朝には119円09銭と前週末の ニューヨーク市場終値(118円75銭)と比べてドル高・円安に振れた が、その後円買いが強まり、8時半すぎには117円78銭と2営業日ぶり の円高値を付けた。その後、大幅安で始まった日本株が下げ幅を縮める と一時119円06銭まで円が売られたが、株価の戻りは鈍く、午後には118 円台前半へ再び円が強含んだ。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「基本的にはグロー バル株式市場の調整の動きを受けた影響がまだ続いている感じ」と指 摘。ただ、「そうはいってもしょせん調整の相場であって、リスク回避 ムードが強まるかどうかは別問題」だとし、ドル・円は一時的な下振れ はあっても、「円高に向かう逆回転リスクがあるかというとノーと言わ ざるを得ない」と語った。

ユーロ・円相場も早朝に1ユーロ=148円台半ばまで円安に振れた 後、一時146円84銭まで円買いが進行。その後再び148円台前半まで値を 戻したが、午後には147円台前半まで円がじり高となった。

株価にらみ

15日の東京株式相場は反落。海外原油先物相場が下げ止まらない 中、リスク回避の売りで日経平均株価は午前に一時300円超下げる場面 が見られた。その後いったん113円安まで戻したが、午後にかけては再 び下げ幅を拡大し、結局272円安で取引を終えた。

先週末のニューヨーク原油先物は3.6%安の1バレル=57.81ドルと 続落。国際エネルギー機関(IEA) が世界の需要見通しを引き下げ たことが材料視された。原油相場の急落を背景に12日の欧米株は下落 し、米国債市場では10年債利回りが8週間ぶりの水準に低下した。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、衆院選での与 党大勝を受け、アベノミクスがより一層強力に進むということで朝一番 から円売りを仕掛けた感じだが、「日経平均先物もマイナスだったし、 原油も底が見えないという状況の中で、リスクオフからの円買いを警戒 して、結局、選挙の結果がドル・円相場の強力なドライバーにならなか った感が強まってしまった」と、朝方の動きを説明した。

NHKの開票速報によると、14日投開票の第47回衆院選では、自 民、公明の連立与党が定数(475議席)の3分の2超となる326議席を確 保した。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司エグゼクティブ・ ディレクターは14日夜、ブルームバーグ・ニュースに対し、「3分の2 というのが1つキーワードになっているので、例えば外人は早朝からド ル・円をガンと買うかもしれないが、東京市場に入ったら普通はいった ん利食いが出やすい」と指摘。ただ、構造改革や金融・財政政策に対す る海外投資家の期待感があり、「中長期で円安方向というのは変わらな い」と話していた。

安倍晋三首相は15日、自民党本部で行った記者会見で、アベノミク スをさらに前進せよとの声を国民から頂いたとし、3本の矢について、 さらに強く大胆に実施すると述べた。

一方、日銀がこの日発表した短観では、大企業・製造業の業況判断 指数(DI)がプラス12と9月の前回調査から1ポイント悪化した。悪 化は2期ぶり。非製造業はプラス16と3ポイント改善した。3カ月先の 見通しは製造業、非製造業ともに悪化した。14年度の想定為替レートは 通期1ドル=103.36円、上期102.64円、下期104.04円。

みずほ証の鈴木氏は、短観発表後にはドル・円が「一瞬跳ねた感じ もあった」とし、「安倍政権が長期に継続する可能性が高まったので、 短観発表後はさらなる緩和強化かという観測が一瞬強まったと思う」と 語った。

FOMC

今週は16、17日に注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催 される。低金利を「相当な期間」維持するとの文言を声明に残すかどう かが検討される見通し。

IG証の石川氏は、今週のリスク要因はFOMCだとし、株式を中 心に調整相場が続く中、原油安と中国の減速懸念が重なり、「このタイ ミングでかつFRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派サプライズを提 供することがあれば、例えば米短期金利の急上昇を誘発し、米株がさら に反落する可能性がある」と指摘。「そうなると調整相場がさらに続く 可能性が高まるので、円相場も再び円高に振れる可能性がある」と話し た。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.24ドル台後半から一時1.2434ドル までドル買いが進行。同時刻現在は1.2453ドル前後となっている。

オーストラリアドルが下落。豪政府は15日、鉄鉱石価格の下落で税 収が減少し、支出削減が議会で遅れているため、14-15年度(14年7月 -15年6月)の財政赤字が拡大するだろうとの予想を明らかにした。一 方、シドニーではマーティン・プレイスにあるカフェで立てこもり事件 が発生した。豪ドルは対米ドルで2010年6月以来の安値を更新、対円で は10月末以来の安値を付けた。

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