女の戦い再び、アベノミクスめぐり新潟4区-自民・民主の前職対決

衆院選(14日投開票)で自民、民主 の女性前職が議席確保にしのぎをけずっている選挙区がある。新潟県三 条市などの新潟4区だ。共産党は男性の新人を擁立して参戦する構図だ が、安倍晋三首相の経済政策、アベノミクスをめぐる女の戦いがヒート アップしている。

「今までにはないぐらいの本当に苦しく、そして最も不安な気持ち を抱えている」-。自民前職の金子恵美氏(36)は9日、三条市の結婚式 場で開いた演説会で、集まった有権者を前に涙を流しながら支持を訴え た。

金子氏は自民党が今回の衆院選で擁立した42人の女性候補の1人。 早大を卒業し、ミス日本関東代表に選ばれた経歴の持ち主で、新潟市 議、新潟県議から2012年の衆院選で国政に挑戦し、初当選した。対抗す るのは前回と同じ民主党の菊田真紀子氏(45)。当選4回で民主党の与 党時代には外務政務官を務め、現在は幹事長代理として党運営にも当た っている中堅幹部だ。

安倍首相は2020年までに社会の指導的地位に占める女性の割合を少 なくとも30%程度とする目標を掲げているが、今回の衆院選の立候補 者1191人のうち女性は198人と20%にも満たない。新潟4区で共産党は 新人の西沢博氏(34)を擁立した。

自民党

演説会が終わった午後8時半ごろに金子氏の事務所を訪ねた。明る いピンク色のウインドブレーカーを着たボランティアらが慌ただしく動 き回り、壁には業界団体や自民党幹部の推薦状が所狭しと貼り出されて いる。

金子氏は「アベノミクスがまだ地域に浸透していないという一つ条 件もあるし、なぜこの時期に選挙なんだというところもあるし、一般的 に2期目が難しいというのもある」と指摘。「すべて重なっているの で、圧倒的に苦しい」と話す。

新潟4区では、菊田氏が03、05、09年の衆院選で自民党候補を退け てきた。金子氏は12年の選挙でその菊田氏に初挑戦。約8万票を獲得し て約6万6000票の菊田氏に勝利した。菊田氏は重複立候補していた比例 北陸信越で復活当選。2回目の対決となる。

新聞各社の世論調査に基づく情勢記事は、自民、公明の連立与党が 衆院定数(475議席)の3分の2超を確保する勢い、と報じている。菊 田氏の民主党は198人の候補者のうち女性は29人。

アベノリスク

菊田氏は10日、JR燕三条駅近くのショッピングセンターで、「国 会に座っているだけのお人形さんはいりません。私、菊田真紀子の4 期11年の経験を生かさせていただきたい」と演説した。

菊田氏が選挙運動のスローガンに掲げたのは「STOP!アベノリ スク」。演説でも「安倍政権の暴走にストップをかける最後のチャン ス。アベノミクスは地方においてはアベノリスク。国民、庶民に大きな 危険を与える。暮らしの危険を与える、日本の安全保障に危険を与え る」と政権批判を展開する。

社会進出

金子氏は女性の政界進出が進んでいない現状について「女性たちの 意識改革も必要」と語る。

安倍政権が国会提出した大企業に女性登用に関する計画の策定を義 務付ける女性活躍推進法案は解散のため審議未了で廃案となっている。 菊田氏は安倍首相の女性政策について「ただの口だけだったんだな。イ メージアップそしての女性を使ったんだなと思いました」と話す。菊田 氏は大企業などで働くキャリアウーマンよりもむしろ、貧困に陥ること が多いシングルマザーへの支援が必要と指摘する。

各国の議会でつくる「列国議会同盟」(IPU)によると、日本の 衆院で女性議員の占める割合は解散前の11月1日時点で129位と中国や 北朝鮮、韓国より低い。自民党が政権復帰する前の2012年11月30日の順 位は113位だった。

自民党の野田聖子前総務会長は金子氏への応援演説で、日本の少子 化問題について触れ、「40年前から始まっているのに当時も今も男性主 導の国会にあって、男性天国の自民党にあってこのことについて全く気 がつかなかった」と指摘。その上で、「これを変えていくのは思い切っ た活動しなければいけない。そのためには女性の力は本当に必要」と訴 えた。

新潟4区には共産党新人の西沢氏は公式ブログで「アベノミクスは 格差と貧困ひろげ、景気悪化させただけです」などと訴えている。

--取材協力:広川高史.

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