米国債(12日):上昇、原油安で低インフレ観測-FOMC控え

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米国債相場は上昇。10年債利回りは8週間ぶ りの水準に低下した。原油相場の急落を背景に、世界的にインフレが中 央銀行の目標をさらに下回るとの観測が強まった。米連邦公開市場委員 会(FOMC)は来週、定例会合を開く。

10年債利回りは週間ベースで2012年6月以来の大幅低下。ニューヨ ークの原油先物相場は1バレル=58ドルを割り込んだ。FOMCは低金 利を「相当な期間」維持するとの文言を声明に残すかどうか検討す る。11月の雇用統計で雇用者数が12年1月以来の高い伸びとなったこと から、先週は早期利上げ観測が浮上。一方で、中国工業生産の伸び鈍化 やギリシャの金融市場混乱は米経済への向かい風を強めている。

ジャナス・キャピタル・グループで債券ファンドを運用するビル・ グロース氏はブルームバーグ・ラジオとのインタビューで、「原油が実 体経済を著しく左右するものである限り」FOMCは「原油価格の下落 を考慮する必要があるだろう」と指摘。「米国自体がデフレではないも ののディスインフレの状態にあるのに、『相当な期間』に関する文言を 削除し始めるだろうか」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.08%。一時は10月16日以来の低水準をつけた。週 間では22bp低下と、12年6月以来の大幅な下げ。同年債(表面利 率2.25%)価格はこの日、23/32上げて101 15/32。

米国債はギリシャ債の下落にも支えられた。ギリシャは来年に解散 総選挙に追い込まれる可能性があり、世論調査では緊縮策に反対する政 党が首位につけている。

インフレ指標

グロース氏は原油価格の急落に市場は惑わされ、企業や国の信用度 に関する見方が変わるなどゆがみが生じているとも述べた。

米30年債と5年債の利回り差は週間ベースで、過去22年で最長とな る8週連続の縮小。原油安でインフレが鈍化するとの見方から、30年債 の需要が高まった。同利回り差は一時120bpまで縮小し、ほぼ6年ぶ りの小ささとなった。

11月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.2%低下。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%低下だ った。FOMCが物価の指標としている個人消費支出(PCE)の価格 指数は目標の2%を2年余りにわたって下回っている。

米長期債と短期債では、今年のリターンに相違が表れている。バン ク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、2年債の リターンは0.7%、30年債は27%となっている。

世界的減速

ブルームバーグが算出する中国の月次国内総生産(GDP)速報値 によると、11月は前年比6.78%増と、10月の6.91%増から減速した。 7%を下回るのはこれで4カ月連続。

ギリシャ10年債利回りは一時9bp上昇の9.17%。週間では1.94ポ イント上昇した。

クレディ・スイスの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は 「世界経済が減速しつつあるとの懸念がある」と指摘。「これが確実に リスク資産の重しになっており、米国債やドイツ国債の支えになってい る」と述べた。

原題:Treasuries Rally on Oil Plunge Before Fed Meets on Rates Stance(抜粋)

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