ECB、QEに一歩近づく-TLTRO利用額は予想に届かず

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欧州中央銀行(ECB)の2回目の 条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の利用額はアナリスト の予想中央値よりも低かった。全面的な量的緩和(QE)に踏み込む根 拠が増した。

ECBの11日の発表によると、ユーロ圏の銀行は1300億ユーロ (約19兆1600億円)を金利0.15%で借り入れる。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた調査で予想レンジは900億-2500億ユーロ、中央値 は1480億ユーロだった。

ユーロ圏経済に最大1兆ユーロを注入することで景気を立て直そう とするドラギ総裁の取り組みの中で、TLTROは重要な柱。この日の 結果が現行の刺激措置で十分かどうかの議論をECB内に引き起こすこ とは必至で、国債などの資産の購入開始が必要かどうかが焦点となる。

ABNアムロ・バンクのマクロ調査責任者、ニック・コーニス氏は 「ECBが既存の措置だけでバランスシートを1兆ユーロ近く膨張させ ることはほぼ不可能だとみられる」とし、ECBは「購入資産の幅を広 げる必要があり、国債がそこに含まれることが必要だ。結論として、利 用額が予想に満たないTLTROはECBを国債購入のQEに一歩近づ けた」と述べた。

9月の初回TLTROの利用額もブルームバーグ・ニュースがまと めた調査の予想に届かず、緩慢な滑り出しだった。今回と合わせた供給 額は2120億ユーロとなり、銀行にとっての利用可能枠とECBが考え る4000億ユーロを下回る。

企業と家計への銀行の新規融資額に連動するTLTROは、2016年 末までにあと6回実施される。満期はいずれも18年9月。

クーレECB理事は声明で、「2回目のTLTROの利用額は ECBと市場の予想の範囲内だ」とし、「TLTROが銀行の長期流動 性へのアクセスを改善させることは明白だ。他の措置と相まって、実体 経済への与信拡大を促す環境を作り出す」と指摘した。

イタリアの銀行

2回目のTLTROの利用はイタリアの銀行が目立ち、利用額はモ ンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行が33億ユーロ、バンコ・ポポラ ーレは27億ユーロ、インテーザ・サンパオロは86億ユーロだった。各行 の広報担当者らが明らかにした。

ECBにとって難しいのは、新たな流動性供給でバランスシートを 膨らませようとしても、11、12両年実施のLTRO資金が返済されるこ とで帳消しになってしまうことだ。来年2月までに満期を迎える3年物 LTROの未返済分は2570億ユーロ。

当局者らはバランスシートを膨張させる他の方法を模索している。 ECBはカバード債の購入を10月に、資産担保証券の購入を11月に開始 した。ドラギ総裁は先週、市場からの直接購入によってバランスシート を「よりよくコントロールできるようになった」と述べていた。

原題:ECB Case for QE Boosted by Muted Long-Term Loan Demand: Economy(抜粋)

--取材協力:Kristian Siedenburg、Stefan Riecher.

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