スプリング:「世界の惨事」で運用のファンドが半年で+15%

英運用会社スプリングが世界で起こ る「惨事」などを想定しながら、株式、債券の指数先物や通貨で運用す るヘッジファンドが6月からの半年で約15%の収益を上げた。秋以降の 原油価格下落を先読みし、エネルギー関連企業が多いカナダ、メキシコ の株価指数を売り持ち(ショート)したことが奏功した。

スプリングの塚口直史氏が運用するのは「ラン・ディザスター・プ ロテクション・ファンド」。塚口氏はモスクワを拠点に投資情報などを 収集し運用している。同氏はインタビューで「ロシアにはエネルギー会 社が多く、当社のエネルギー専門アナリストや現地の人たちと関わって なければこの投資アイデアは生まれなかった」と語った。

同ファンドは金融政策、財政問題、内外紛争、自然災害など複数の テーマやストーリーを設定して分散投資する。イベントに関連する投資 商品の売りや買いを組み合わせ3-4倍のレバレッジをかけ運用する。 ベンチマークであるユーリカヘッジ・マクロ指数(速報値)は過去半年 でプラス3.6%だった。原油価格は10月に12%程度下落していた。

塚口氏は「年金基金など投資家の資産はほとんどがロング(買い持 ち)だ」と指摘。世界での不測の事態を想定し、「当ファンドを組み入 れてもらえれば、ヘッジツールとしての機能が果たせる可能性がある」 と述べた。同ファンドの収益目標は年率20%程度。ファンドの運用収益 が上下に振れるリスク(標準偏差)も20%程度としている。

ロシアに特化

同ファンドは欧州の機関投資家に加え、日本の富裕層などからの資 金を取り込みながら規模を拡大していく方針。運用額は今後2-3年 で100億円、5年以内に300億円に増やすことを目指している。塚口氏 は、「運用をブラックボックス化せず、世界で起きていることを週次レ ポートで提供するなど投資に付加価値をつけたい」と述べた。

スプリングは2003年にデービッド・ヘルネ氏が設立した。モスク ワ、ロンドン、東京、ケイマンに拠点を持つ。特にロシア関連の運用に 力を入れており、企業統治(コーポレートガバナンス)に遅れと改善の 余地があるとみて、投資先の企業価値向上を狙うファンドなども運用し ている。現在の全体の運用資産総額は約5億ドル(約600億円)。

塚口氏(40)は05年以降、米運用会社のブラックロックやスパーク ス・グループ、みずほ証券に在籍。各社で今回と同様のグローバルマク ロ戦略のファンドを運用してきた。同氏は運用を手掛けたファンドの過 去6年の平均年率リターンは20%程度だったと説明している。

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