日本株は3日続落、原油急落と円高警戒-金融、素材中心売り

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東京株式相場は3日続落。需要減退 への懸念から国際原油市況が急落、リスク回避の影響で円高方向に振れ た為替への警戒も広がり、銀行など金融株、鉄鋼など素材関連株を中心 に石油、不動産、精密機器株と幅広い業種が売られた。

TOPIXの終値は前日比9.79ポイント(0.7%)安の1397.04、日 経平均株価は155円18銭(0.9%)安の1万7257円40銭。

ベイビュー・アセット・マネジメントの佐久間康郎執行役員は、米 国や日本など「原油安で消費にメリットを受けると言われる国も、返り 血を浴びる可能性がある」と指摘。原油価格の下落で「新興国や資源国 がデフォルト(債務不履行)するリスクが現実的になってきたが、マー ケットがそういった点を織り込んでいるとは思えない」と話した。

石油輸出国機構(OPEC)が加盟国産原油の需要見通しを12年ぶ りの水準に引き下げたことを受け、10日のニューヨーク原油先物 は4.5%安の1バレル=60.94ドルと急反落。2009年7月以来の安値水準 で、60ドル割れが目前に迫る。

原油安を嫌気した10日の米主要株価3指数はそろって安く、ダウ工 業株30種平均は200ドル以上下落。米国株オプションの指標で、投資家 の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数は約2カ月ぶりの高水準 となった。さえない経済統計とギリシャの政局流動化懸念を内包する欧 州では、ストックス欧州600指数が3日続落した。

原油安を通じた世界景気の先行き懸念、欧米株安や為替の円高進行 を受けたきょうの日本株は朝方から幅広い業種に売りが先行。東証1部 全体の値動きを示すTOPIXは約2週間ぶりに1400を割り込み、日経 平均は一時368円安まで下げた。

午後は小康状態

東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、「原油 価格の下落や為替に見られるように、世界景気の先行き懸念が意識され ている。信用取引で買っていた投資家も多く、短期的なロスカットが出 た」と言う。東証によると、信用取引の買い残は5日時点で3週連続増 の2兆8632億円。これをベースにした買い方の評価損益率はマイナス 7%と、8月29日以来の水準にまで回復していた。

あすの株価指数先物・オプション12月限の特別清算値(SQ)算出 を前に、今週は売買が活発化した先物の影響を受け大きく下げる場面が あった。ただ、期先物へ乗り換えるロールオーバーも一巡、午後の指数 は小康状態となった。きょうの日経平均先物12月限の出来高は約12万 枚、8-9日の11万枚台から前日10日は21万枚に膨らんでいた。

また、朝方は一時1ドル=117円44銭までドル安・円高が進んだ為 替も、午後は118円台前半と円高の勢いが鈍り、日本株が午後にかけて 下げ渋る一因にもなった。

東証1部33業種は鉄鋼、銀行、金属製品、不動産、医薬品、ガラ ス・土石製品、証券・商品先物取引、精密機器、石油・石炭製品、鉱業 など31業種が下落。空運、陸運の2業種は高い。東証1部の売買高は22 億9316万株、売買代金は2兆5128億円、代金は前日から12%減った。値 上がり銘柄数は564、値下がり1183。

売買代金上位ではソフトバンク、三菱UFJフィナンシャル・グル ープ、三井住友フィナンシャルグループ、ソニー、JT、三井物産、 NTT、三井不動産、パナソニック、三菱重工業、東芝が下落。半面、 みずほ証券が目標株価を上げた良品計画は高く、日本航空やケネディク ス、東京電力、積水ハウス、アイフル、JR東海も堅調だった。

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