北朝鮮の怒りを買い、ソニーへのサ イバー攻撃の引き金になった可能性のあるセス・ローゲン主演の映画 「ザ・インタビュー」のシーンをソニーの平井一夫社長が自ら承認して いたことが、ハッカーの不正アクセスで流出した電子メールで明らかに なった。

平井社長はソニー・ピクチャーズエンタテインメントのエイミー・ パスカル共同会長に宛てたメールで、北朝鮮の金正恩第1書記が死亡す る場面を描いた編集済みのシーンについて意見を述べ、最終的にゴーサ インを出した。さらに米国以外で公開するバージョンに爆発で死亡する 金第1書記の顔を入れることを製作サイドは認めないと念を押した。

平井社長は9月29日付のパスカル共同会長宛てのメールで、「よく 考えた結果、1つのバリエーションを先に進めてもらいたい。あなたが メールで言及したようにそれを少し推してもらえるとありがたい。くれ ぐれも国際版には入れないようお願いする」と伝えていた。

このやり取りは、米中央情報局(CIA)による金第1書記の暗殺 計画を扱ったコメディー映画にソニー上層部が異例の関与を行ったこと を示し、ザ・インタビュー公開の承認を得る過程で、パスカル共同会長 が、ソニー幹部の要求と製作サイドの意向の調整に動いた様子も物語 る。

パスカル共同会長は共同監督も務めたローゲン氏へのメールで、ソ ニー本社から映画について指示があったのは今回が初めてだとしながら も、変更の要請を受け入れるようローゲン氏の説得に努めた。

パスカル共同会長とソニーの映画部門幹部は、金第1書記が火の玉 となって死亡するスローモーションの場面で血の飛散を少なくするよう 求めた。同共同会長は9月28日付の平井社長に宛てた文書で、「337の 場面では顔が溶けず、髪の毛の火や顔が燃える様子も減り、頭部が吹き 飛ぶ場面は火でかなりぼかされ、人体にはあまり見えないよう暗くし た」と説明した。

ソニーの担当者(東京在勤)は、この映画への関与をめぐる平井社 長のコメントを出すことを控えている。ソニー・ピクチャーズの広報担 当者も論評を避けた。ローゲン氏も広報担当者を通じてコメントしてい ない。

一連の電子メールはソニーのコンピューターシステムから流出した 約3万3000件の文書の一部。

原題:Sony CEO Cleared Scenes in Film on N. Korea’s Kim, E-Mails Show(抜粋)

--取材協力:黄恂恂.

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