ソニー平井氏のメールから幹部報酬まで-情報漏れ拡大の恐れも

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ソニー・ピクチャーズエンタテイン メント(SPE)へのハッカー攻撃で、リントンSPE会長の報酬額や ソニー本体の平井一夫社長のメールが流出。連日の情報漏れで今後さら に重大情報が露呈するのではないかと懸念する声も出ている。

「平和の守護者」を意味する「GOP」と名乗るグループがSPE からハッキングで盗んだ社内データは、ファイル共有サイトのパイレー ト・ベイで公開された。ブルームバーグ・ニュースが同サイトから入手 したデータは総量約100ギガバイト、文書数で約8万4000点に上る。

12月初めに共有されたとみられる「GOPの贈り物」と題されたデ ータには、SPEの役員からインターンまで約6700人の給与や報酬など の情報のほか、取引先情報や未公開映画の映像も含まれている。その後 少なくとも3回にわたり「GOPの贈り物2日目」や「GOPの贈り物 3日目」と題されたデータがインターネットで公開された。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、情報の流出 について「まだ出てくる可能性がある」、「もっと重大な顧客情報の流 出があるかもしれない」と懸念を示した。

倍の年俸

報酬に関する文書によるとリントン氏の年俸は300万ドル(約3 億6000万円)で、平井社長の1億8400万円(2013年度有価証券報告書、 ストックオプションを含まず)の約2倍となっている。リントン氏の他 に8人のSPE役員の年俸も平井社長と同額あるいはそれ以上だった。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストはリントン氏の報酬につい て、映画事業は利益が出ているので、「もうかっているところで高い報 酬を得るのは説明がつく」と話した。その上で「思ったより流出した情 報量が多いので、株価に影響が出た。ソニーの信用にかかわる問題だ」 と電話取材で述べた。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント日本法人の広報担当者は 役員報酬情報が開示されていないことを理由にコメントを避けた。

ソニー株は11日、前日比1.6%安の2464円で取引を終えた。

GOPは、ネット上で「地域の平和を破り、戦争を引き起こす恐れ があるテロ映画の上映を直ちに中止せよ」と要求、同社が25日に公開予 定のコメディー映画「ザ・インタビュー」の上映中止を求めたものとみ られている。この映画は北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にし ている。GOPは最新メッセージで、パスカルSPE共同会長らが新た な標的となる可能性を示唆している。

平井氏の関与

この映画に関し、金正恩第1書記殺害シーンを平井社長が自ら承認 していたことも、不正アクセスで流出した電子メールで明らかになっ た。平井社長はパスカル共同会長に宛てたメールで、同第1書記が死亡 する場面を描いた編集済みのシーンについて修正意見を述べ、最終的に ゴーサインを出したとされる。

事情に詳しい関係者2人によれば、コンサルティング会社ファイア アイなどに委託して実施されているソニーの内部調査では、北朝鮮と関 係があるとされるハッカー集団「ダークソウル」が攻撃に関与している との判断に至ったが、9日、米連邦捜査局(FBI)当局者は北朝鮮が 背後にいると断言する段階にはないと明らかにした。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は7日、SPEに対するハ ッカー攻撃について関与を否定した。その上で、SPEが最高指導者で ある金第1書記の「威厳を傷つけ、テロ行為を扇動する」映画の製作者 で、映画の封切りを控え「正義の」怒りから北朝鮮の支持者が攻撃を仕 掛けた可能性があると、匿名の国防当局報道官を引用して伝えた。

安田アナリストは「現在、影響の範囲がどれくらいかを正確に把握 できている人は恐らくいない」と述べた。

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