ECBにとって悪いニュースはQE待望組に朗報-11日に判明

欧州中央銀行(ECB)にとって悪 いニュースは、量的緩和(QE)の開始を待ちかねる投資家には朗報か もしれない。

ECBは11日、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)に 基づく2回目の長期融資を実行する。デフレ阻止に向けたECBの措置 の一つだが、需要が9月の1回目程度の低調さとなれば、ECBが非伝 統的措置を国債購入にまで拡大せざるを得ないことが示唆されるだろ う。

銀行がECBから資金を借りてくれないなら、同中銀は経済に1兆 ユーロ(約147兆円)を注入するという表明済みの目標を達成するため の他の方法を探さなければならなくなる。従って、11日に公表される銀 行の利用額が少なければ、ECBが米国型のQEに踏み込む確率が高ま ると捉えられ、債券や株価が上昇するだろう。ドラギ総裁は来年の早い 時期にも次の措置を投入する可能性を示唆している。

ノムラ・インターナショナルの欧州担当シニアエコノミスト、ニッ ク・マシューズ氏は「今週のTLTROやプログラム全般が2015年早期 の国債購入QEの開始を邪魔するとは考えにくい」と指摘。「今週の利 用額はQE開始発表のタイミングは左右するかもしれない」と付け加え た上で、「当社は引き続き、既存の措置ではECBが意図するようなバ ランスシート膨張は達成できないという見解だ」と述べた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値によれば、今回の TLTROの利用額は1480億ユーロ。予想レンジは900億-2500億ユー ロ。9月の初回実績は830億ユーロだった。

11年終わりと12年序盤に実施されたLTROからの資金で向こう2 カ月に返済されるのは2700億ユーロ。これを踏まえると、TLTROの 資金は返済に充てられるだけで、ECBのバランスシートを膨張させる ことにはならない。

ドラギ総裁も難しさを認識し、より積極的な行動の必要性を認めて いる。金融当局にとって悪いニュースが投資家に歓迎されたのは昨年の 米国も同じだ。13年7月から9月にかけて毎月、月の初めに発表される 非農業部門の雇用者数は市場予想を下回ったが、その度にS&P500種 株価指数は上昇した。数字が悪いほど、米連邦準備制度が債券を買い続 けると考えられたからだ。

ブラックロックのインベストメント・インスティチュートで世界債 券チーム責任者を務めるスコット・シール氏は、今週のTLTROをユ ーロ圏にとって「年内最重要のイベントの一つ」と位置付ける。ECB がQEへと押しやられれば株式投資家は喝さいするだろう。「より現実 的で、よりファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映した金融 政策がプラスだ」と述べた。

原題:Bad News for ECB Loans May Be Good News for QE-Hungry Investors(抜粋)

--取材協力:Kristian Siedenburg.

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