日本株は大幅続落、リスク回避強まり輸出、素材売り-円高も

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東京株式相場は大幅続落。ギリシャ を中心とした欧州株や中国株の急落など世界的なリスク資産回避の流れ が波及、為替の円高推移も嫌気された。輸送用機器やゴム製品、機械な ど輸出関連、鉄鋼など素材関連株中心に幅広い業種が安い。

TOPIXの終値は前日比29.26ポイント(2%)安の1406.83、日 経平均株価は400円80銭(2.3%)安の1万7412円58銭。日経平均の下げ 幅、下落率は11月17日(517円、3%)以来の大きさ。

三菱UFJ投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、下 落の「1番の理由は日経平均が一気に1万8000円まで駆け上がった過熱 からの反動と利益確定売り、2番目がそれに連動した為替の円高方向へ の推移、3番目が国内の消費者心理の悪化」と話した。

ギリシャの現政権が解散総選挙に追い込まれるとの懸念で、9日の アテネ総合指数は13%下落、27年ぶりの大幅安となった。サマラス首相 は、新大統領選出のための投票を議会で来週開始する。首相が推す候補 の選出には野党の協力をあおぐ必要があり、失敗すると来年1月にも解 散総選挙の可能性がある。ギリシャ急落の影響を受け、同日のストック ス欧州600指数も2.3%安と続落した。

中国では短期融資に関する担保規定の厳格化で成長が減速するとの 懸念が広がり、9日の上海総合指数は5.4%安と2009年8月以来の急 落。きょうは反発しているものの、欧州や中国株波乱に対する警戒感は 日本株への売り圧力が高まる一因になった。

下げ一時500円超、SQ控え先物主導の側面も

岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「楽観し ていた世界景気に対する安心感が後退してきている。中国や欧州株、日 本の7-9月国内総生産(GDP)の下方修正もこの流れの一部。やや 雲行きが怪しくなってきた」と言う。

世界的なリスク資産回避の中で、為替市場では円の買い戻しが先 行。きょうのドル・円相場は午後に一時1ドル=118円69銭と、前日の 東京株式市場の終値時点120円10銭に比べドル安・円高方向に振れた。 前日の海外市場では一時117円95銭まであった。IGオーストラリアの チーフ市場ストラテジスト、クリス・ウェストン氏は、為替が「1カ月 半で1ドル=106円から122円に進んだ速さは政府にとっても行き過ぎだ ろう。上場企業にとっては1ドル=110円くらいが理想の水準なのでは ないか」と指摘した。

円高傾向が強まった午後の取引で、日経平均は一時504円安の1 万7308円まで下げ幅を拡大。週末12日の株価指数先物・オプションの特 別清算値(SQ)算出を前に、先物の持ち高調整、整理売りに引っ張ら れる側面もあった。きょうの日経平均先物12月物の出来高は21万枚超と 8日、9日の11万枚台から2倍近くに膨らんだ。

東証1部33業種はゴム、輸送用機器、化学、鉄鋼、機械、繊維、金 属製品、銀行、非鉄金属、海運など31業種が下落。鉱業と水産・農林の 2業種は小高い。東証1部の売買高は25億4380万株、売買代金は2 兆8514億円。値上がり銘柄数は285、値下がりは1473。

売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グル ープ、富士重工業、マツダ、ホンダ、ファナック、日本電産、ブリヂス トン、デンソー、川崎重工業、信越化学工業、東レ、JFEホールディ ングスが下落。半面、燃料電池車に使われる水素スタンド設置の規制緩 和観測で岩谷産業は高く、NTT、資生堂も堅調だった。

--取材協力:Yuji Nakamura.

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