米国債:上昇、中国の融資規制やギリシャ懸念再燃で逃避需要

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米国債相場は上昇。30年債利回りは 7週間ぶりの水準に低下した。中国当局が短期融資に関する担保規定を 厳格化したことに加え、ギリシャの政局混乱への懸念が再燃したため、 米国債への逃避需要が強まった。

世界的な株安を背景に質への逃避が強まる中、3年債入札(発行 額250億ドル)では最高落札利回りが予想を下回った。インフレの兆候 がほとんどないことから30年債相場が特に上昇し、3年債との利回り差 は5日連続で縮小した。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上 げ時期が検討されると予想される中、財務省短期証券(TB)1年物の レートは2013年6月以来の高水準となった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ傘下、RBS セキュリティーズの米政府債ストラテジスト、タイラー・トゥッチ氏は 「大規模なリスク回避の動きだ」と指摘。「世界の他の地域での低利回 り環境の影響で米国債利回りも低下している」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.87%。同年債(表面利率3%、2044年11月償還)価 格は22/32高の102 19/32。利回りは一時2.84%と、10月16日以来の低水 準を付けた。1年物TBレートは2bp上昇の0.16%。

3年債入札で最高落札利回りは1.066%。入札直前の市場予想 は1.072%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.24倍。過 去10回の平均は3.30倍だった。

3年債

既発3年債利回りは先週、2011年7月以来の大幅な上昇となった。 雇用者数の伸びが予想を上回り、連邦公開市場委員会(FOMC)が16 -17日会合後の声明で低金利を「相当な期間」維持するとの文言を削除 するとの思惑が強まった。

政策金利の動きに敏感な3年債のリターンは年初から0.8%。一 方、10年債のリターンは9.8%となっている。

財務省は10日に10年債(発行額210億ドル)、11日に30年債(130億 ドル)の入札を実施する。

JPモルガン・チェースの週間顧客調査によると、米国債の持ち高 は7ポイントの売り越しに転じた。前週は2ポイントの買い越しだっ た。

中国は低格付け債について、一部の短期的な資金繰りの担保に利用 することは今後できないとする決定を下した。

ギリシャ

ギリシャ国債が下落。10年債利回りは6週間ぶりの大幅上昇となっ た。ギリシャの大統領選前倒しによって政局が再び混乱するとの懸念が 浮上した。スペインやイタリアなどの国債も値下がりした。ギリシャの サマラス首相は8日、新大統領選出の議会手続きを前倒しし、来週実施 することを決めた。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「市場で不確実性とリス クが高まった。救済や緊縮財政に反対する政党が躍進するとの懸念があ る」と指摘。欧州の通貨同盟が崩壊するとの「懸念が生じていた時期に 逆戻りするとの心配もある」と述べた。

原題:Treasury Bond Rally Pushes Yield to 7-Week Low on China, Greece(抜粋)

--取材協力:Anchalee Worrachate.

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