職場の備品をちょっと失敬、それはあなたが不安なせいだった

世界保健機関( WHO)によれば、米国人は世界で最も不安な国民だ。これは健康に問 題を抱える人を増やすばかりでなく、職場で倫理に反する判断をする人 を増やす傾向がある。そんな調査結果が最近出てきた。

米ノースカロライナ大学ケナンフラグラー・ビジネス・スクールの スリーダリ・デサイ教授とノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・ オブ・マネジメントのマリアム・コウチャキ氏が6つの研究を行い、そ の結果がジャーナル・オブ・アプライド・サイコロジーに発表される。

これらの研究で、被験者は不安を感じるように仕向けられる。映画 「サイコ」の音楽を聞かされたり、「バーティカル・リミット」の中の 山岳事故のシーンを見せられたり、あるいは多種類の歯磨きの中にニコ チンが入っているとの研究結果を読まされたりといった具合だ。そして 不安にさせられた被験者は、オフィスの備品を盗んだり報告書に虚偽の 記載をしたり、たまたま手に入った他人の機密情報を自分の出世のため 利用するという行動について、問題ないという考えを持つ傾向があっ た。

不安を抱える人が平穏な心の人よりもオフィスの備品のペンをたく さん盗む理由は、原始時代を考えれば分かる。脅威に囲まれている人ほ ど、倫理に反した行動を取ってでも資源を温存し自分を守り、資源をさ らに蓄えておこうとすると、デサイ教授は指摘した。

同教授によれば、幾分の不安は人を注意深くするのでむしろ良いも のだが、ある水準を超えてしまうと健康が損なわれて業務に支障が及ぶ ばかりか、倫理的な判断を堅持することさえ難しくする。

では、どうしたらよいのか。リラックスや瞑想をばかにすることも できるが、グーグルなどのハイテク企業でよく見られる働きやすさの工 夫が実は、社員の不安を和らげるのに役立つかもしれないとデサイ氏は 話す。ジョンソン・エンド・ジョンソンは従業員にヨガ用マットを職場 に持って来させ昼休みに基本ポーズを取るよう奨励している。

「ストレス軽減のための小さな措置でも、大いに役立つ方向への小 さな一歩となり得る」とデサイ氏は述べ、「ユーモアを歓迎し、社員の 不安を少しでも軽くする職場であることは重要だ」と指摘した。

原題:You Stole Those Paper Clips Because You Were Stressed Out (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE