債券は下落、米金利上昇や円安で売り圧力-あすの30年債入札を見極め

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債券相場は下落。米雇用統計の好調 を背景とした米長期金利の上昇や円安進行に加え、あすに30年利付国債 入札を控えて売りが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前週末比1銭安の147円31 銭で開始。午前8時50分の国内総生産(GDP)統計の発表後に水準を 切り上げ、3銭高の147円35銭まで上昇する場面が見られたが、日経平 均株価が一時7年ぶりに1万8000円台を回復すると、再び売り優勢とな った。午後に入ると一時20銭安の147円12銭まで下落し、結局、18銭安 の147円14銭で取引を終えた。

RBS証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、米国の雇用統 計が相当強かったことを受けた米金利の上昇や円安などを受けて、長期 金利に上昇圧力がかかっていると説明。ただ、「上昇余地も限られる」 と言い、「せいぜい行って0.4%台後半で、0.5%は超えないくらいのイ メージ」としている。

日本相互証券によると、新発10年物国債の336回債利回りは前週末 午後3時時点の引値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.425%で開始 し、同水準での推移が続いた後、午後には0.435%まで水準を切り上げ た。30年物の44回債利回りは0.5bp高い1.42%に上昇している。

財務省は9日午前10時半から、30年利付国債(12月発行)の入札を 実施する。今回から償還が3カ月延びて45回債となる。表面利率(クー ポン)は前回債1.7%より0.2ポイント低い1.5%となる見込み。発行額 は7000億円程度となる。

丹治氏は、30年債入札について、強弱どちらもあり得るとした上 で、日銀オペについて「今月は25年超の買い入れが発行額を上回るの で、基本的に需給が長期的に緩むと言うことはまず考えにくい」と指 摘。その上で、「入札が終わった後は比較的支えられるような形にな る」とみる。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、30年債入札への警戒感は強いと指摘。「先月の20年債入札以降、40 年債入札を除き長期から超長期債入札はすべて弱かった。20年債入札は イベントが重なったタイミングもあるが、どうしても超長期債入札に対 する警戒感は意識される。さらに先週の流動性入札が3000億円規模で弱 い結果だったことも、7000億円規模である明日の30年債入札の警戒度を 強めている」と説明した。

外部環境はネガティブ

前週末5日に発表された11月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者 数が2012年1月以来の大幅な伸びとなり、ブルームバーグ・ニュースが まとめた市場予想も上回った。これを受けて、米10年債利回りは2.3% 台前半に水準を切り上げて推移。ドル・円相場は週明けの東京市場で一 時1ドル=121円85銭と、2007年7月以来の水準までドル高・円安が進 んだ。

みずほ証券の早乙女輝美シニア債券ストラテジストは、11月の米雇 用統計の堅調な結果を受け、米国債市場では早期利上げ観測が再び高ま りつつあるほか、円安や日経平均株価が1万8000円台に乗せるなど、 「外部環境は明らかにネガティブ」と説明する。また、「新発債は発行 日が22日であるため、目先の国債買い入れの対象銘柄にならない」と言 い、「2日の10年債入札と同様に一定の警戒感をもってあたるべきであ ろう」としている。

内閣府が8日午前に発表した7-9期の実質GDP改定値は、前期 比0.5%減と速報値(0.4%減)から下方修正となった。ブルームバー グ・ニュースによる事前調査の予想中央値では前期比0.1%減、年 率0.5%減が見込まれていた。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、米国では雇用情勢 の改善が確認され、米金利上昇のほか内外株高やドル高・円安は売り材 料になると指摘した。30年債入札については、「日銀の追加緩和決定以 降に割安修正が入ったものの、10年債利回りが0.4%台前半なので1% 台の利回りには妙味がある」と話した。

--取材協力:赤間信行、Daisuke Sakai.

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