【今週の債券】長期金利0.4%台の下限試す、需給良好でー米金利高警戒

今週の債券市場で長期金利は0.4% 台の下限を試すと予想されている。日本銀行の国債買い入れオペや12月 が3カ月ごとの国債償還月となるため、需給の良さが金利水準を押し下 げる構図が続くとの見方が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.39-0.45%となった。前週は10年債入札が低調となり、い ったんは0.4%台半ばに上昇。その後は日銀の国債買い入れオペなどを 背景に水準を切り下げ、5日には0.42%に低下した。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、今月 はまだ四半期末、米連邦公開市場委員会(FOMC)というイベントを 残しており、すぐにもグローバルに金利水準が極端な変動を見せると思 えないと指摘。国内債相場は「さすがに新発10年債の0.4%割れには一 定の抵抗感もある」としながらも、「需給堅調で強含む展開が年内一杯 は続きそうな状況」だと予想している。

前週末5日の米国債市場では、同日発表の11月の米雇用統計で非農 業部門雇用者数が市場予想を上回ったことから、利上げが近いとの観測 が強まり、米長期金利は2.31%と2週間ぶり高水準で引けた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米景気の好調が裏付け られ、「FOMCでの声明文変更に警戒感が高まって来よう。金利には 直接効かなくとも、ドル高を通じた間接的な影響に注意だ」と言う。

財務省は9日に30年利付国債(12月発行)の入札を実施する。12月 債は償還が3カ月延びて回号は45回債となる。前回入札された44回債利 回りは1.4%台前半で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債よ り0.3ポイント低い1.4%となる見込み。発行額は7000億円程度となる。

11日には流動性供給入札が予定されている。発行予定額は4000億円 程度。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、今回の対象銘 柄は残存5年超から15.5年以下の国債が対象銘柄となる。

日銀は8日午後4時から本店で市場参加者との意見交換会を開催す る。野村証の松沢氏は、意見交換会について、「目下、日銀オペが相場 水準はもとより、イールドカーブの形状を変える支配的な材料になって いるため、オペ手法の買い入れペースや年限などに関する議論は注目に 値する」と指摘した。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物146円70銭-147円30銭

10年国債利回り=0.39%-0.44%

「時間の経過とともに金利に下押し圧力が掛かり、日銀の国債買い 入れが金利上昇を抑制する。短中期の金利低下が長期ゾーンにも及ん で、10年債利回りは0.4%割れをうかがう展開と予想する。一方、市場 は来年の米国の利上げを徐々に意識する公算が大きく、米国の金利上昇 が円債市場にも波及。7-9月期の国内総生産(GDP)改定値が上方 修正される場合にも売り材料となりそうだ」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物3月物146円80銭-147円35銭

10年国債利回り=0.40%-0.45%

「30年債入札と先物の限月交代を終えた週半ば辺りから利回り曲線 がフラット化するのではないか。大量償還もあり、月後半は需給が締ま る。償還資金の再投資を考えた場合、中期ゾーンを買うのは水準的に厳 しい。マイナス金利で買った中期債はどこかで売る必要が出てくる。残 存期間30年以上のボラティリティが高く、18年から25年ゾーンに妙味が ある。30年債入札はショートポジションが膨らんでいる上、最近の入札 は低調でも買った人が結果的に利益を得ている」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド

先物3月物146円90銭-147円30銭

10年国債利回り=0.40%-0.445%

「欧州中央銀行(ECB)のスタンスを見ると、金融緩和の流れは 終わりそうになく、国内市場は中短期金利のマイナス化などからじりじ りと金利水準を切り下げる展開が続くのではないか。日銀がオペで大量 に国債を購入する中で、売り向かうのは難しい状況だ。週明けの国内債 相場が米雇用統計を受けて弱く始まっても、じりじりと短いゾーンから 金利が低下する流れは止まらないのではないとみている」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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