タカタの全米リコール要求拒否、正当化できない-米当局

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タカタ製エアバッグの欠陥問題をめ ぐり3日に開かれた米下院公聴会で、米監督当局はタカタが示したエア バッグのリコール(無料の回収・修理)対象を引き続き多湿地域のみに とどめる方針はまったく正当化できないとの立場を表明した。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)のフリードマン副局長は運 転席側のエアバッグに不具合が生じるリスクをめぐり、湿度の影響が当 初考えられていたよりも小さいことを示すデータを引用。NHTSAは エアバッグの追加試験実施のため1週間以内に独立した専門家を雇う予 定だと語った。

フリードマン副局長は議会証言後に記者団に対し、「確かに実際の リコールは自動車メーカーが行うが、その欠陥製品を製造したのはタカ タであり、タカタは全米リコールを表明すべきだ」と言明。そうなれば タカタ製エアバッグを搭載した「全ての自動車メーカーによるリコール 実施につながる」と説明した。

タカタは2日の書簡で、多湿地域の約800万台に限定してきたリコ ールの拡大要請を拒む姿勢を示した。同社はリコールを拡大した場合、 交換部品不足が深刻化し、修理にさらに時間がかかるようになると主張 してきた。

この日の公聴会を開いた下院小委員会の副委員長を務めるレナー ド・ランス議員(共和、ニュージャージー州)はタカタの「書簡は何の 役にも立たず、極めて公正を欠く」とした上で、「NHTSAの見解に まったく反する」と指摘した。

ホンダはリコール拡大

タカタの品質保証本部シニアバイスプレジデント、清水博氏が同公 聴会で自社の主張を繰り返したのに対し、ホンダはタカタ製エアバッグ 搭載車のリコールを全米に拡大する用意があることを明らかにした。

タカタの交換部品の生産能力は月間約35万個にとどまる。このため エアバッグの不具合発生リスクが比較的低い地域にもリコールを拡大し た場合、部品不足が深刻化する見込みだ。タカタは来年1月には月間最 大45万個まで生産能力を引き上げる計画だが、これが実現したとしても 全リコール対象車の修理に必要な部品がディーラーに行き渡るまでには 1年強を要する見通し。

オートリブがホンダに供給へ

北米ホンダのリック・ショステック上級副社長は公聴会で、「部品 が不足する可能性があると考えている」と言及。ホンダは部品供給の拡 大について、タカタと競合するオートリブやダイセルと交渉に入ってい ることを明らかにした。

その後、オートリブは発表資料で、約半年後からホンダにエアバッ グ供給を開始することで合意したと述べた。供給するエアバッグの数 や、契約条件などは明らかにしていない。

NHTSAはタカタに対し、12月2日までに運転席側エアバッグの インフレーター(膨張装置)の全米リコールに着手するよう指示。応じ なかった場合はNHTSAがリコールを強制する可能性があるほか、違 反1件当たり7000ドル(約84万円)の民事制裁金支払いを命じる可能性 があると述べていた。

フリードマン副局長は3日、NHTSAが個々の自動車メーカーで はなく、タカタにリコール拡大を求めたという事実は、リコール要請の 責任を負っているのはタカタだと同局が考えていることを示していると 語った。

また同副局長は公聴会で、NHTSAは法廷に争いが持ち込まれた 場合に確実に勝利できるよう準備する中で、強制的なリコールに向け次 のステップを検討しており、それには公聴会やデータの検証などが含ま れると発言した。

ワシントンに拠点を置く消費者団体の自動車安全センター (CAS)のエグゼクティブディレクター、クラレンス・ディットロウ 氏は「このリコールの件でタカタが引き続き協力を拒めば、NHTSA は争いを法廷の場に持ち込むだろうし、顧客離れも予想される」と指 摘。「タカタが全米リコールを拒否することで、同社が勝利するシナリ オは想定できない」と述べた。

タカタの他の顧客であるトヨタなどは既に、タカタの調査を補足す るため独立機関による検証を呼び掛けている。またメキシコ政府はタカ タに対し、交換部品を生産する国内工場での健康・安全管理改善で171 に及ぶ措置を講じるよう命じた。

原題:Takata Snub of Recall Request Not Backed by Data, NHTSA Says (1)(抜粋)

--取材協力:Craig Trudell、Kathleen Miller.

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