債券先物が上昇、連日で史上最高値を更新-超長期債には売り圧力

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債券相場は上昇。需給環境の良さを 背景に買いが優勢となり、先物は最高値を更新した。一方、流動性供給 入札が弱めだったことや来週に30年債入札を控えて超長期債には売り圧 力が掛かった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比変わらずの147円17 銭で開始し、直後に147円25銭と前日の夜間取引で記録した史上最高 値147円24銭を上回った。いったんは8銭安の147円09銭まで下落した が、午後に入ると水準を切り上げ、一時は147円32銭と最高値を更新。 結局は7銭高の147円24銭で引けた。

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、債券相 場について、「金曜日の米雇用統計が良ければ連邦準備制度理事会 (FRB)が来年6月にも利上げに踏み切るとの思惑や日本政府債務の 格下げ、総選挙での与党優勢を背景とした株高・円安など、大きな材料 が国内外であっただけになおさら、日銀の国債買い入れがあらゆる材料 を上回っており、受け入れるしかないことをあらためて確認する展開 だ」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の336回債利回りは前日午後3時時点の引値と横ばいの0.43% で開始し、1ベーシスポイント(bp)高い0.44%まで上昇した。午後は横 ばいの0.43%に戻した。5年物の120回債利回りは一時1.5bp高い0.08% と、過去最低を付けた前日から上昇し、午後は0.075%で推移した。新 発2年物の347回債利回りは横ばいのマイナス0.005%で取引された。

20年物の150回債利回りは2bp高い1.185%に上昇。9日に入札を控 えている30年物の44回債利回りは3.5bp高い1.415%と11月26日以来の高 水準を付けた。

バークレイズ証の福永氏は、超長期はやや軟調でイールドカーブは ややスティープ化している面もあると指摘。「金利が下がり過ぎて、最 終投資家が買いたくない水準になってしまったためだ。来週の30年債入 札は価格が割安な水準での実施となるため、その水準で需要があるかど うかがポイントになる」と言う。

財務省がきょう実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果 では、募入最大利回り較差がプラス0.019%、募入平均利回り較差はプ ラス0.012%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は2.91倍と、 同じ対象年限の前回入札3.17倍から低下した。今回は残存期間15.5年超 から39年未満の既発債が対象となった。

UBS証券の井川雄亮債券ストラテジストは、流動性供給入札結果 は弱めだったと指摘。「超長期ゾーンは入札に向けて調整が入りやす い」と説明した。

東京株式相場は続伸。TOPIXは前日比0.8%高の1440.60で引け たた。外国為替市場で円は1ドル=119円台後半と約7年ぶりの安値水 準で推移している。

欧州中央銀行(ECB)理事会がきょう開催され、会合終了後には ドラギECB総裁の記者会見が予定されている。金融政策については、 来週11日実施の民間企業への融資促進目的の貸し出し条件付き資金供給 オペ(TLTRO)の状況を見極めるため、現状維持が決まる見込み。 一方、原油安や景気悪化を背景に欧州のデフレ懸念は高まっており、ド ラギ総裁が量的緩和の具体策に言及するとの見方もある。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、ECB会合について、 「場合によっては政策変更、変更はなくともドラギ総裁が早期の緩和実 施に踏み込んだ発言をするとの見方で動いている」と指摘。「よほど総 裁が肩透かしの会見をしない限り、市場は緩和実施を時間の問題として 織り込みを続けるだろう」と言う。

--取材協力:野沢茂樹.

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