借金生活から4200億円運用する投資顧問に-独立系の草分け

デブラ・ウェザビー氏は1990年、独 立系の投資顧問会社を設立した時32歳だった。結婚したばかりで資本は 5万ドル(約600万円)弱しかなかった。

モルガン・スタンレーのような大手証券会社の中で投資アドバイザ ーを務めるのではなく、個人で投資顧問業を営む独立系登録投資顧問業 者(RIA)という業種はまだ生まれたばかりだった。同氏は1988年に モルガン・スタンレーを退社、自分を信頼してくれる10人の顧客を頼り に独立した。給料もなくクレジットカードで生活しながら、同氏はサン フランシスコのサンサム・ストリートにオフィスを借りた。そして、3 年以内に黒字にならなければやめようと決めた。ブルームバーグ・マー ケッツ誌2015年1月号が報じている。

その後、同氏が最高経営責任者(CEO)を務めるウェザビー・ア セット・マネジメントはサンフランシスコの金融街に移り、現在では高 層ビルの8階全体を借りている。オフィスには古代ローマの衣装をまと った女神像が林立している。

ニューヨークのマンハッタンにもオフィスを持つ同社は、総じて投 資資金1000万ドル以上を持つ約500世帯に、サービスを提供している。 同社の2013年の顧客運用資産は35億ドル(約4200億円)で、ブルームバ ーグ・マーケッツ誌の第1回RIAランキング(運用資産ベース)で1 位になった。

ウェザビー氏が創業した当時にはRIAという言葉を知る人も少な かったが、今は業界は大盛況を迎えている。

「振り返ってみると、非常に先見性のある決断だった」とウェザビ ー氏(56)は語った。「あれは、顧客にどういう形でサービスをするか という問題だった」という。

顧客優先

RIAは顧客の利益を優先するよう義務付けられ、運用資産額に応 じて手数料を受け取る。ブローカー(証券仲介業者)もしばしば自分た ちをアドバイザー(投資顧問)と呼ぶが、彼らは適切な投資先を紹介す るものの、所属する証券会社がそれによって販売する金融商品で手数料 を得られるようにする。アドバイザーとブローカーの両方として登録し ている金融業者もいる。

退職年齢を迎えつつあるベビーブーマーらが老後資金を長持ちさせ る方法を模索し始めたのと同じ時期に、米金融規制改革法(ドッド・フ ランク法)が両者の違いに光を当てた

米リテール証券会社チャールズ・シュワブのアドバイザーサービス 責任者、バーニー・クラーク氏は「過去7年はRIAにとって一貫した 成長の時代だった。市場の複雑さと顧客ニーズの変化が背景だ」と話し た。シュワブは約7000のRIAのために資産1兆ドル余りを保管してい る。

ブルームバーグ・マーケッツ誌は、米証券取引委員会(SEC)に 登録し顧客の75%超が富裕層だと報告しているRIAを対象にランキン グをまとめた。富裕層は200万ドル以上の資産を持っているか100万ドル 以上をRIAの顧問対象としている層。銀行や保険会社など金融機関と 提携し販売商品から歩合制の手数料を得るアドバイザーは除いた。

調査会社エイト・グループによると、全米で2万以上の独立系 RIAは07年から毎年、ウェルスマネジメント事業でのシェアを伸ば し、運用資産は同年から13年の間に82%増え2兆3000億ドルとなった。 大手リテール証券会社の資産は8.2%増え6兆2000億ドル。

原題:Top Independent Adviser With $3.5 Billion Once Lived on Credit(抜粋)

--取材協力:Maryann Busso、Judith Sjo-Gaber.

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