米国債:30年債が上昇、5年債との利回り格差が縮小

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3日の米国債市場では30年債が上昇 し、5年債と30年債の利回り格差は過去約6年で最小となった。朝方発 表された第3四半期の単位労働コスト指数の低下が背景。

5年債と30年債の利回り格差は1.38ポイントに縮小。第3四半期の 単位労働コスト指数は1%低下した。米連邦準備制度理事会(FRB) が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、「全般的に、物 価と賃金の上昇は引き続き抑制された」と記述された。5日には11月の 米雇用統計が発表される。北海ブレント原油は1バレル当たり約70ドル と年初から36%下げており、インフレ見通しが後退している。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「インフレ加速はほと んど見られない」と述べ、「国債利回りが著しく上昇するのは厳しいだ ろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.28%。同年債(表面利率2.25%、2024年11月償還) 価格は3/32上げて99 23/32。30年債利回りは3bp下げて2.99%。

インフレ見通し

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は一 時1.78ポイントと、約3年ぶりの低水準をつけた。

米供給管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業総合景況指数 は過去9年余りで2番目に高い水準となった。

11月のISM非製造業総合景況指数は59.3と、前月の57.1から上昇 し、2005年8月以降で2番目の高水準。ブルームバーグがまとめたエコ ノミストの予想中央値は57.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の 境目を示す。

5年債利回りは1bp上昇して1.6%。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は失業率の低下と緩やかな 成長を指摘し、事実上のゼロ金利という緊急事態の姿勢から金融政策を 正常に戻す必要性を裏付けていると述 べた。

抑制された賃金の伸び

米国では雇用は増加しているものの、低い賃金の伸びがインフレを 抑制している。ブルームバーグがまとめた調査によると、11月の平均時 給は前年比で2.1%増が見込まれている。年初来平均では2%増。2008 年には3.6%増を記録した。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「全般的な賃金上昇圧力はかなり低い」と述べ、 「誰もが慎重になっている。インフレの兆候は多くない」と続けた。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用 者数は前月比20万8000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想の中央値は22万2000人の増加だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、労働省が発 表する11月の米雇用統計では23万人の雇用増が予想されている。前月 は21万4000人の増加だった。失業率は前月と同じ6年ぶり低水準 の5.8%と予想されている。

ブルームバーグ米国債指数によると、償還期限が10年以上の国債リ ターンは年初から20%となった。償還期限5年以下の国債リターン は1.5%となっている。

原題:Treasury Bond Rise Trims Yield Curve to 6-Year Low on Inflation(抜粋)

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