ドルが一時120円台に接近、米景気期待や自民圧勝観測で

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東京外国為替市場ではドルが対円で 約7年ぶりの高値を更新し、一時は1ドル=120円台に接近した。米景 気期待や衆院選で自民党が圧勝する可能性があるとの報道などを背景 に、ドル買い・円売りが優勢となった。

午後3時50分現在のドル・円相場は119円91銭付近。一時は119円95 銭と、2007年7月26日以来となる120円台にあと5銭と迫った。午前は いったん119円90銭まで上昇した後、119円75銭まで値を下げる場面があ ったが、取引が進むにつれて水準を徐々に切り上げた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、ドル・円相場は目先、120円のバリア・オプションが強い との観測もあり、大台乗せ手前で足踏みしている状況だと指摘。ただ、 「米国の景気と金融政策でしっかりとしたドル高のベクトルがあるとこ ろに、日本は山のように円売り材料がある」とし、トレンドは120円台 に乗せていく方向にあるとみる。

4日付の日本経済新聞朝刊は、14日に投開票が行われる衆院選につ いて実施した世論調査の結果、定数475議席のうち、自民党が300議席を うかがう勢いだと報じた。与党では3分の2に当たる317議席を維持す る可能性があるという。読売新聞や朝日新聞も自民優勢との調査結果を 報じている。

「安倍政権延命」期待

この日の東京株式相場は日経平均株価が5営業日続伸し、前日終値 からの上昇幅は一時192円に拡大した。

みずほ銀行国際為替部の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミスト は、各紙の報道で「安倍政権延命」の可能性が示され、「リフレ政策の 継続」という観点から、海外投資家を中心に円売り・日本株買いを誘っ たと説明。ただ、「世論調査を受けて円売り・ドル買いというのもちょ っとよく分からない」とも言う。

米供給管理協会(ISM)が3日に発表した11月の非製造業総合景 況指数は59.3と、前月の57.1から上昇し、05年8月以降で2番目の高水 準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値 は57.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳 谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、「景気が堅調で、個人消費 は恐らく年末商戦を迎える米国ではポジティブな材料が出てくる可能性 が高い」と指摘する。

一方、ISM非製造業指数の項目別では、雇用指数が56.7と、前月 の59.6から低下。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インステ ィテュートが同日発表した給与名簿に基づく11月の米民間部門の雇用者 数は、前月比20万8000人増と、市場予想の22万人増を下回った。

柳谷氏は、ISM非製造業指数について、「雇用が若干前月から下 がったというのが引っかかるところ」としながらも、「まだ高い水準に あるので、そこまで懸念する状況ではない」と説明。ADPも予想対比 で下振れたが、「相場はあまりこれを追っているような感じではない」 と言う。

ECB見極め

この日は欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定会合を開く。三井 住友銀の柳谷氏は、今回の会合で量的緩和(QE)が導入されるとは期 待されていないとしながらも、「将来にわたってあるだろうと思ってい る人が大多数で、1-3月のどこかでとみている人が多い」と指摘。 「ドラギ総裁の会見でやはりハト派っぽい内容をマーケットは探しに行 くような感じになる」と言う。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.2301ドル と、12年8月以来の水準までユーロ安が進行。この日の東京市場で は1.23ドル台前半で推移した。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=147 円04銭と、3営業日ぶりのユーロ安値を付け、東京市場では147円台半 ばで取引された。

--取材協力:大塚美佳.

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