スイスが11月30日に実施した国民投 票で、スイス国立銀行(中央銀行)に資産の20%以上を金で保有するこ とを義務付ける提案が反対多数で否決された。スイス中銀のヨルダン総 裁はこの提案について「投機を招く」恐れがあるとの認識を示してい た。

「スイスの金を救え」をスローガンとするとこの提案は、中銀の全 資産5200億スイス・フラン(約63兆8800億円)のうち20%以上を金で保 有することを義務付けるほか、金の売却を禁止する内容で、政府は反 対77%、賛成23%で否決されたと発表した。世論調査では否決が予想さ れていた。今回の国民投票では、外国人の資産家への優遇税制措置の廃 止や移民規制の提案も否決された。

このほか提案はスイス中銀がカナダや英国で保管する金の30%をス イスに移すよう義務付けており、中銀の政策当局者はこれが実現すれば 物価の安定維持や中銀が1ユーロ=1.20スイス・フランに設定している フランの対ユーロ上限の防衛が一段と困難になると繰り返し指摘してき た。

ジュリアス・ベア・グループのチーフエコノミスト、ヤンウィレ ム・アケット氏(チューリヒ在勤)は「キーワードは安心感だが、まだ シャンパンを開けて祝う理由にはならない」と指摘。否決により「スイ ス中銀の金融政策の選択肢が増える一方で制限が減った」と述べた。

スイス中銀は「結果を聞いて喜んでいる」との声明を発表した。

同中銀は現在、金1040トンを保有している。これは全資産の約8% に相当する。

原題:Swiss Voters Reject Measure Forcing SNB to Acquire More Bullion(抜粋)

--取材協力:Albertina Torsoli、Nicholas Larkin、Stefania Spezzati、Giles Broom.

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