日本国債市場でマイナス金利での取 引が2年物にまで広がっている。欧州市場の流れが波及した展開を、想 定範囲内と市場関係者は受け止めている。

日本相互証券によると、新発2年物国債の346回債利回りはマイナ ス0.005%。19日のゼロ%の取引から約1週間で、ドイツやスイスなど 欧州国債相場と同じマイナス圏に突入した。欧州中央銀行(ECB)は 主要中銀で初となるマイナスの中銀預金金利を導入している。

SMBC日興証券の野地慎シニア金利ストラテジストは、ECBの 量的緩和の思惑を背景に、短い年限の日本国債は海外勢の買いが大きく なっているとみる。「2年債利回りマイナスはびっくりする話ではな い。海外勢は通貨スワップを使って安く資金を調達するため、結局、プ ラスの利回りで買っているイメージ」だと言う。

ドルと円の3カ月物変動金利(LIBOR)を交換するドル・円ベ ーシス・スワップ取引の2年物では現在、購入した日本国債からの受け 取り利息を基に、3カ月物ドルLIBORに2桁台のベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)を上乗せした運用収益を見込むことができ る。

通常、購入価格が償還価格よりも高いか、購入時の利回りが表面利 率よりも低いと、満期保有した場合に償還時に損失が発生するため、事 前に償却する必要性が生じるなど、経理上の処理が煩雑になる。一方、 海外投資家はベーシススワップの影響で円をマイナス金利で運用できる ため一定の需要が見込まれている。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラ テジストは「マイナス金利で先行した欧州勢など海外から買い需要があ る」と言う。

日本銀行が10月末の追加金融緩和で国債買い入れオペ増額を決定し たことで、残存期間「1年超3年以下」の買い入れ額は月間で3兆3000 億円程度となり、財務省による2年物国債の毎月の発行額2兆7000億円 程度を上回っている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、「そもそも2年国債がマイナスになったことは、短期国債のマイ ナス金利が続く中、ある意味自然なこと。場合によっては5年債もマイ ナスになる可能性はある」と指摘。 ただ、「一辺倒にマイナス金利が 深まっていくというよりも、ゆっくりと進んでいくと考えられる」とみ ている。

財務省がこの日実施した表面利率0.1%の2年利付国債(347回債) の入札結果によると、最低落札価格は100円18銭と市場予想と一致。投 資家需要の強弱を示す応札倍率は5.86倍と前回の4.80倍から上昇した。 平均落札利回りは0.005%と前回に続いて過去最低を更新。最高落札利 回りは0.009%と過去最低を記録した。

--取材協力:三浦和美、酒井大輔、赤間信行.

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