債券市場で新発2年物国債利回りが 史上初めてマイナス金利を付けた。短期国債市場での需給逼迫(ひっぱ く)の影響を受けて利付国債にも買いが波及している。

日本相互証券によると、新発2年物国債の346回債利回りは前日午 後3時時点の引値より1ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.005%を 付けた。19日には一時ゼロ%まで低下し、これまで最低だった0.005% を約1カ月ぶりに下回った。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、2年債 のマイナス金利について、「もともと346回債の需給が締まっていると いう特殊要因がある。そうした中、ここもとゼロを少し上回る水準で推 移してきた。昨日、石油輸出国機構(OPEC)が減産を行わなかった ことで原油価格が下落。今後も原油価格の下落などで物価上昇率の下振 れリスクが高いことがマイナス金利となる要因となった」と説明した。

財務省が18日実施した1年物の国庫短期証券(TB)の入札では最 高落札利回りがマイナスとなり、全額がマイナス金利で落札された。流 通市場では残存1年以下の短国債利回りがマイナス圏で取引されてお り、足元ではマイナス幅が拡大している。

大和住銀投信投資顧問の奥原健夫シニアファンドマネジャーは、 「残存3年までのイールドカーブがつぶれており、いつマイナス金利と なってもおかしくない」と話していた。

TBは割引債だが、2年物など1年超は利付国債のため、半年ごと に利払いがある。通常、購入価格が償還価格よりも高いか、購入時の利 回りが表面利率よりも低いと、満期保有した場合に償還時に損失が発生 するため、事前に償却する必要性が生じるなど、経理上の処理が煩雑。 一方、海外投資家はベーシススワップの影響で円をマイナス金利で運用 できるため一定の需要が見込まれている。

SMBC日興証券の野地慎シニア金利ストラテジストは、欧州中央 銀行(ECB)の量的緩和の思惑を背景に、短い年限の日本国債は海外 勢の買いが大きくなっているとの見方を示し、「2年債利回りマイナス はびっくりする話ではない」と述べた。「海外勢は通貨スワップを使っ て安く資金を調達するため、結局、プラスの利回りで買っているイメー ジ」だと言う。

奥原氏は「国内投資家はマイナス金利がさらに低下するという見立 てがないと買えない」と説明。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジ ストは「マイナス金利で先行した欧州勢など海外から買い需要がある」 と言う。

2年ゾーンの国債需給も引き締まっている。日銀が10月末の追加金 融緩和で国債買い入れオペ増額を決定したことで、残存期間「1年超3 年以下」の買い入れ額は月間で3兆3000億円程度となり、2年物国債の 毎月の発行額2兆7000億円程度を上回る。

欧州の国債市場ではドイツやスイスなどすでに数カ国で2年物国債 利回りがマイナスで取引されている。欧州中央銀行(ECB)が6月に 利下げに加えて、主要中銀で初となるマイナスの中銀預金金利を導入 し、9月には追加利下げとともに同預金金利のマイナス幅も広げたこと が背景にある。

--取材協力:赤間信行、Daisuke Sakai.

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