米国債相場は上昇し、10年債利回り は約5週ぶり低水準を付けた。原油価格の下落で、世界的なインフレ期 待が後退した。また海外の国債利回りが過去最低水準となり、米国債の 魅力が相対的に高まった。

10年債は6営業日続伸と、ここ1カ月余りで最長の連続高。石油輸 出国機構(OPEC)が27日の総会で生産目標の据え置きを決定したこ とに反応し、北海ブレント原油は約4年ぶり安値となった。トレーダー のインフレ見通しの指標は3年ぶり低水準を付けた。

ブリーン・キャピタルのマネジングディレクター、ラス・サート氏 (ニューヨーク在勤)は「主要なテーマは原油で、商品相場はほぼ全面 的に下げている」と指摘。「この状況を受けて米連邦準備制度の政策方 針が変わることもあり得る。追加緩和の必要性が生じるリスクがある。 米金融当局に圧力が加わるのは確実だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時現在、10年債利回りは前営業日比8ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.17%。一時2.16%と、10月21日以来の低水準 を付けた。同年債(表面利率2.25%、2024年11月償還)価格は23/32上 げて100 3/4。利回りは週間では15bp、月初来では17bp下げた。

米証券業金融市場協会 (SIFMA)の勧告により、この日の米 国債市場は米東部時間午後2時までの短縮取引となった。前日は感謝祭 の祝日で終日休場だった。

ブレークイーブンレート

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は1.79ポ イントと、2011年10月以降で最小となった。1月には2.31ポイントを付 けていた。

債券ファンドが保有する国債のデュレーション(平均残存期間)を ベンチマーク(基準)に合わせようとする月末特有の買いも相場を支え た。バークレイズの指数は12月1日に0.11年延びる見通し。11月1日時 点での延びは0.07年だった。

ユーロ圏の国債利回りは過去最低を記録した。欧州中央銀行( ECB)がデフレ回避に向けて刺激策を強化するとの観測が広がってい る。

主要7カ国(G7)では米10年債の他国の国債に対する利回り上乗 せ幅が85bp。前日は91bpと9月17日以降で最大となっていた。

OPEC

OPECは27日開催した総会で、価格下落に歯止めをかけるため減 産を呼び掛けたベネズエラの主張を退け、生産目標を据え置いた。これ を手掛かりに原油相場は大幅安となった。

ロンドンICEの北海ブレント原油は一時3.9%安の1バレル =69.78ドルと、2010年5月以来の安値を付けた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)傘 下のRBSセキュリティーズで米国債戦略責任者を務めるウィリアム・ オドネル氏は「市場ではインフレに関してこれまでよりずっと落ち着い た雰囲気が広がっている」と指摘。「インフレの上振れ下振れに影響を 及ぼすという点で、商品相場は興味深い隠れた要因だ」と述べた。

原題:Treasury Gains Send Yields to Five-Week Low on Inflation Outlook(抜粋)

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