東京株式相場は3日ぶりに反発。石 油輸出国機構(OPEC)の減産見送りを受けた国際原油市況の安値更 新で、燃料費負担の軽減につながる空運や海運株など原油安メリット業 種が急伸した。為替の円安進行を好感し、輸送用機器やゴム製品など輸 出関連株も高い。

TOPIXの終値は前日比18.44ポイント(1.3%)高の1410.34、 日経平均株価は211円35銭(1.2%)高の1万7459円85銭。TOPIXは 終値での年初来高値を更新。

大和住銀投信投資顧問の岩間星二シニア・ファンドマネジャーは、 「原油価格が下がると日本経済全体にはプラスで、きょうの上昇は前日 下落した反動も半分ほどある」と話した。また、12月2日に公示される 衆院選への期待も残っていると同氏。「議席をある程度減らすという憶 測がスタート台のため、投票率が少ないなどの憶測が強まると、自民党 には有利だ」と言う。

OPECは27日の総会で、世界的な原油供給過剰を緩和するための 措置を見送った。価格下落に歯止めをかけるため減産を呼び掛けたベネ ズエラの主張を退け、現行の日量3000万バレルの生産目標を維持する。 総会結果を受け、27日のニューヨーク原油先物は6.3%安の1バレル =69.05ドルと急落、2010年5月以来の安値を付けた。

きょうのドル・円相場は、朝方は1ドル=117円台後半だったが、 午後は一時118円30銭台までドル高・円安が進行。原油安を受けて産油 国通貨が下落、相対的にドルが買われた前日の海外時間の流れが一層強 まった。前日の東京株式市場の終値時点は117円32銭だった。

大和証券投資戦略部の三宅一弘チーフストラテジストは、「為替が 再び1ドル=118円台に円安に進んでいる影響が大きい」と指摘。日本 銀行の追加金融緩和や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の 新資産構成発表、消費税増税の延期など「ここ1カ月の一連の動きの中 で円安トレンドがはっきりしてきており、日本株の需給構造がかなり改 善してきた」とみている。

日欧マクロ統計も好転

きょうの日本株は、原油安メリット業種の主導で反発して始まり、 為替の円安推移が顕著になると、午後は先物主導で一段高。日経平均は 一時、223円高まであった。欧州や日本の経済統計で改善を確認した点 も、週末を控えた中でも見直しの動きが強まる一因だった。

欧州で27日に公表された11月のドイツの失業率は過去最低の6.6% になり、同月のユーロ圏景況感指数も市場予想に反し、10月の100.7か ら100.8に上昇した。取引開始前に発表された日本の10月の鉱工業生産 指数は、前月比0.2%上昇と市場予想の0.6%低下より良く、午後発表さ れた10月の国内住宅着工件数も市場予想ほど下振れなかった。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、鉱工業生産に ついて「在庫削減圧力で減産が続くと予想していたが、需要(輸出・消 費)堅調で増産となった。在庫削減も進んでおり、総じて良い内容」と の見方を示す。

東証1部33業種は空運、海運、ゴム製品、保険、輸送用機器、銀 行、金属製品、非鉄金属、電気・ガスなど30業種が上昇。鉱業と石油・ 石炭製品、パルプ・紙の3業種は安い。東証1部の売買高は23億2909万 株、売買代金は2兆2815億円。上昇銘柄数は1390、下落345。

売買代金上位ではANAホールディングスや日本航空、川崎汽船、 商船三井、日本郵船が買われ、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャ ル・グループ、ホンダ、ソニー、ブリヂストン、ダイキン工業、任天 堂、オリエンタルランドも高い。半面、国際石油開発帝石が大幅続落、 三井物産やJXホールディングス、荏原、千代田化工建設も下げた。

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