金融商品販売先の厚生年金基金幹部 に接待を行ったとする贈賄事件で、懲役10月、執行猶予3年とした東京 地裁判決を不服として控訴していたドイツ証券元営業担当の越後茂被告 が、控訴を取り下げていたこと27日分かった。

東京高裁の担当者によれば、裁判期日となっていた27日までに越後 被告側は控訴を取り下げた。これにより一審の判決が確定する。同高裁 は取り下げの理由など詳細については言及を控えた。弁護側からもコメ ントは得られていない。

弁護側は7月、ブルームバーグ・ニュースの取材に対して控訴の理 由について、一審の東京地裁は接待について上司からの奨励や黙認があ ったと認定したものの、具体的な指示がなかったことから会社ぐるみの 組織的な犯行とは認めなかったことが不服であると述べていた。

越後被告は12年4-9月に三井物産連合厚生年金基金の幹部らに、 計90万円相当の接待をしたなどとして起訴された。4月22日の初公判で 同被告は起訴事実を認めた上で、「一営業部員にすぎない私が一人で行 ったものではなく、ドイツ証の上司の指示、了解」に基づく「会社ぐる みの組織的犯行の一環であった」などと主張していた。

一審判決

検察側は6月、懲役1年を求刑。被告人は長期にわたって接待を繰 り返していたとし、厚生年金基金に対する信頼を大きく失墜させたと指 摘した。また被告の犯行はドイツ証内での自身の出世が動機付けとなっ ており、本人の反省も十分でないなどと述べていた。

一方、弁護側は越後被告は入社以来継続して上司から接待を指示ま たは容認されており、末端の社員であった被告のみが責められるべきで はないと主張。量刑については本人がドイツ証から懲戒解雇されるなど 既に社会的制裁を受け、接待に関与した他の社員は逮捕、起訴などされ ていないことからも罰金刑が適当だと主張していた。

東京地裁の安東章裁判長は7月の判決で、短期間で多数回、常習的 に少なくない額の接待が行われており、厚生年金基金の信頼を害する 「悪質な犯行」と述べた。一方で「上司から止められることもなく、黙 認されていた」ことから、「被告人だけを強く非難することができない 面がある」としたが、「組織的犯行」とは言えないとしていた。

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