日本のポップカルチャーグッズを海 外向けに紹介・販売するネット通販会社、東京オタクモード(TOM、 本社・米デラウェア州)は、日本市場以外での新規株式公開(IPO) を視野に入れる。

「東京五輪で世界の注目が日本に集まる2020年までにはしたい。社 会的インパクトを考えると、海外での上場ができるレベルまで持ってい きたい」と創業者兼最高経営責任者(CEO)の亀井智英氏はインタビ ューで述べた。当初は事業売却が目的だったが、TOM自体がブランド に育ちつつあり、事業の成長を通じて「日本の価値を上げられるのであ れば、IPOをするかもしれない」と亀井氏は話す。

伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、日本のヤフーの投資子会社やデ ジタルガレージなどから資金を調達してきたTOMは9月、官民ファン ドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)から最大15億円を3 年間で調達することで合意した。発表資料によると、同ファンドには日 本政府のほか、電通やバンダイナムコホールディングス、みずほ銀行や 大和証券グループ本社などが株主として名を連ねる。

亀井氏によると、TOM利用者の98%が外国人。フェイスブックで は11年3月の開始以来、1600万の「いいね」を達成している。北米や欧 州の日本ファンが多く、20年までに売上高を100億円規模にすることが 当面の目標だという。

東京とロサンゼルスにオフィスを置くTOMは今月、iPhone (アイフォーン)向けの通販用アプリを発表し、さらなるユーザー数の 拡大を狙う。9月には、グーグルのアンドロイド向けのアプリを発表し ている。亀井氏によると、現在スマートフォンアプリを利用して購入す るユーザーは全体の2割程度だが、増加傾向にあるという。

通販サイトを超える

亀井氏のインタビューに同席したクールジャパン機構社長の太田伸 之氏は、TOMに通販サイトを越えた役割を期待する。TOMを通じ、 日本国内の「才能のある漫画アーティストやおもちゃクリエーター、キ ャラクターグッズ・アーティストなどの巨匠たちが、ダイレクトに世界 の消費者に売り込むことができる」と太田氏は話す。

TOMの売れ筋商品の1つに、丸めると寿司に見える靴下「寿司そ っくす」がある。これは富山県のメーカーが生産している。電子商取引 市場では米アマゾン・ドット・コムや楽天などの大企業がしのぎを削る 中、TOMは利用者からの情報にもアンテナを張り、「寿司そっくす」 のような他では手に入れにくい日本グッズを商品ラインナップの中心に 置くことで差別化していきたいと亀井氏は話した。

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