韓国最大の財閥、サムスン・グルー プの李健煕氏の長男でサムスン電子副会長の李在鎔氏は父の入院後、80 億ドル(約9400億円)の取引案件を手掛けて自らの足跡を残しつつあ る。同社株は約6年ぶりの大幅上昇となった。

グループ中核のサムスン電子は26日、20億ドル相当の自社株買い戻 し計画を発表。同グループは、化学と防衛関連の系列企業の株式を売却 することも明らかにした。李健煕氏が心臓発作で5月に入院した後に李 在鎔氏(46)が役割を拡大して以来、事業統合や新規株式公開 (IPO)も発表している。

李在鎔氏は父が回復に向かう中で、スマートフォン事業の業績不振 や政府による財閥締め付けに対応し、グループ傘下の70社余りの前途を 模索している。同グループはテレビや防衛機器、造船、保険といった事 業を展開するが、李在鎔氏ら第3世代への事業継承に備えるため事業の 絞り込みを進めている。

CEOSCOREのパク・ジュグン社長は「サムスンは次世代への 移行を進めている。これは李在鎔氏のイメージを磨いて認知度を高める 同グループの戦略の一環だ」と指摘。「李健煕氏が不在の中で李在鎔氏 がこれらの案件に最終的な決断を下したに違いない」と付け加えた。

同グループは来月、年次の幹部人事を発表する予定。李在鎔氏はグ ループ全体の収入の7割を稼ぐサムスン電子の会長に昇格する可能性も ある。

27日のソウル市場ではサムスン電子の株価は午前10時38分時点、前 日比7.7%高の129万3000ウォン。これは2009年1月以来最大の上昇。自 社株買い戻しは26日の取引終了後に発表された。

26日の当局への届け出によると、サムスン電子とサムスンC&Tの ほかグループ企業4社はサムスンテックウィン、サムスン総合化学の株 式をハンファ・グループに1兆9000億ウォン(約2000億円)で売却す る。今月には情報システム会社のサムスンSDSが1兆1600億ウォン規 模のIPOを実施。事実上の持ち株会社である第一毛織は1兆5200億ウ ォンのIPO計画を申請しており、来月上場する予定。

また同グループは先に、造船部門のサムスン重工業とエンジニアリ ング部門のサムスン・エンジニアリングとの2兆5000億ウォンの合併計 画を発表。ただ、株主が両社に請求した株式買い取りが過大な負担にな るとして、計画を先週撤回している。

原題:Samsung’s Heir Makes Mark With $8 Billion in Proposed Deals (2)(抜粋)

--取材協力:Seonjin Cha、Anand Krishnamoorthy.

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