欧州中央銀行(ECB)がもし、国 債購入プログラムを発動させるためのあらゆる障壁を乗り越えたとして も、最後に一つハードルが残りそうだ。それは売り手を見つけるという 難題だ。

銀行が国債の売却によって得た現金は、債券を保有した場合ほどの 収入を生まないからだと、HSBCホールディングスの債券調査グロー バル責任者のスティーブン・メージャー氏が説明した。ECBは先に講 じた刺激策の一部として、銀行が中銀に滞留させる翌日物預金にマイナ ス金利を課している。中銀預金金利は現在マイナス0.2%だ。

「マイナスの預金金利はECBが大量に国債を買おうとした場合の 障害になる。銀行は売る理由が見つけられないだろう。現金を中銀に預 ければ、税金を実質取られるわけだから」と同氏は25日の顧客向けリポ ートで解説した。

結論として、ECBは国債購入を開始するなら恐らく、預金金利を 引き上げなければならないだろうと同氏は指摘する。マイナスの預金金 利はもともと、銀行に貸し出しを促すために導入された。

ソシエテ・ジェネラルのロンドン在勤エコノミスト、アナトリ・ア ネンコフ氏は、別の問題を指摘する。ECBが国債を買った場合、デフ ォルト(債務不履行)時に他の債権者と同じ扱いを受けるかどうかだ。 もしECBが優先的に弁済されるとなれば、ECB以外の債権者は相対 的にこれまでよりも「高い信用リスクを負う」と市場は見なし、結局は ユーロ圏諸国間の国債スプレッドが拡大するだろうと同氏は指摘。これ はECBの目指すところと逆だと述べた。

原題:Even If ECB Decides to Buy Government Bonds, Banks May Not Sell(抜粋)

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