米ミズーリ州大陪審:警官は不起訴-黒人青年射殺事件で

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米ミズーリ州で今年8月、18歳の黒 人青年が警察官に射殺された事件で、同州の大陪審は24日、発砲した白 人警察官を不起訴とすることを決めた。不起訴を受け、事件の起きたセ ントルイス市近郊ファーガソンでは群集が暴徒化、商店で略奪が起き、 通りでは車が燃やされるなどの抗議行動が起きている。事件発生後、同 地では抗議活動や暴動が広がった。

白人9人、黒人3人で構成された大陪審は、丸腰だった黒人青年マ イケル・ブラウンさん(当時18)を8月9日に射殺したダレン・ウィル ソン警察官(28)を不起訴とした。ロバート・マカロック同州セントル イス郡検事長がこの日明らかにした。催涙ガスなどをデモ隊に発射した 警察の手法が批判を浴びた数日後の8月20日から大陪審は審理を開始し た。

ファーガソンの警察署の外に集まっていた300人以上の群集は大陪 審の判断が示された後、一斉に不満の声を上げた。

ブラウンさんの母親レスリー・マックスパッデンさんは不起訴決定 後、泣きながら「あなた方は全員間違っている」と繰り返した。

警察署前には暴動鎮圧用の装備を身に着けた数十人の警官が集結。 逮捕のため群衆に突入する場面もあった。警察は拡声器でデモ参加者 に、「警察への投石をやめなさい。やめなければ逮捕する」と呼び掛け た。警察の催涙ガスに逃げ惑う人たちもいた。

ニューヨークやサンフランシスコなど数十都市で抗議行動が計画さ れており、テレビ報道によれば、シアトル中心街のウエストレイク公園 近くの交差点では数十人が道路を封鎖した。

大統領が自制呼び掛け

オバマ大統領はこの日のテレビ演説で、デモ隊に暴力自制を求める ブラウンさんの家族の声明をあらためて引用し、「暴力には弁明の余地 はない」と言明。警察に対する黒人社会の懸念に対処する必要があると 語った。

マカロック郡検事長は大陪審が計25日間審理したとし、大陪審の陪 審員だけが全ての証言を聞き、全ての証拠を調べたと述べた。その上 で、目撃者の発言の多くが物的証拠と矛盾すると指摘。目撃者の数人は ブラウンさんが命令に従って両手を挙げている時に撃たれたと述べてい るが、マカロック郡検事長はウィルソン警官がパトカー内にいる時にブ ラウンさんが攻撃したと説明。同パトカー内と拳銃からブラウンさんの 血液が見つかり、車内で2回発砲があったと語った。

マカロック郡検事長はブラウンさんの遺族に深く同情するとし、 「これは悲劇だが犯罪ではなかった。しかし自己防衛のための正当化で きる武器使用だったからといって、これが悲劇であることに変わりはな い」と述べた。

合理的結論か不明

ブラウンさんの遺族の代理人、ベンジャミン・クランプ氏はツイッ ターで、ブラウンさんの両親は「自分の子供を殺した男が自分の行動の 結果に直面しないことに深く失望している」と語った。

シカゴの元連邦地検検事、ローリ・ライトフット氏は、マカロック 氏が示した概要ではウィルソン警官がなぜ殺傷力の高い武器を使用する 必要があると考えたかが明確に分からないと指摘。「銃撃はなぜ必要だ ったのだろう。この問いにはまだ答えていない。どのような証拠が あり、その証拠からどのような合理的結論が導き出せ得るかが分かる までは皆、満足できないだろう」と語った。

原題:Ferguson Police Officer Avoids Charges as New Protests Erupt (3)(抜粋)

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