同僚が相次いで辞めていく、来年昇給するかもしれない兆し

金融危機前の時代が戻ってきたかの ように、同僚が相次いで会社を辞めていく。給与労働者のお財布事情に は明るい兆しかもしれない。

米労働省のデータによると、9月には季節調整済みベースで280万 人近い雇用者が自発的に退職した。離職者全体に占める比率は57.5% と、2007年5月以来の最高となった。

従業員の新旧入れ替わりが進む中で米国の給与労働者が来年の昇給 を見込めるかもしれないとみるのは、株式ブローカー、コンバージ EX・グループ(ニューヨーク)の主任市場ストラテジスト、ニコラ ス・コーラス氏。自主退職と昇給の間には「極めて鮮明な」相関関係が あると同氏は指摘。「自分から辞めるのはもっと良い労働環境、もしく はもっと良い給料を求めてのことだから」この関係は続くはずだと語っ た。

ブルームバーグBNAの賃金トレンド指標によると、民間セクター の昇給率はこの先上がる可能性がある。同指標の見通し指数は10-12月 (第4四半期)に99.4(速報値)と、前四半期の99.22から上昇。5四 半期連続で上昇し、08年10-12月以来の高水準に達した。

この指標の開発に携わったエコノミック・コンサルティング・サー ビシズ(ワシントン)のエコノミスト、キャスリン・コービー氏によれ ば、給料が来年に平均で2.5%増える可能性はあるものの、それが実現 するタイミングは明確ではない。労働市場における数々の数字が「一貫 した緩慢な改善」を引き続き示しているためだという。

自主退職増加は先行指標

労働省のデータによると、7-9月(第3四半期)の賃金は前年同 期比2.3%上昇し、ほぼ6年ぶりの大幅な伸びとなった。コンバージ EXのコーラス氏によると自主退職の増加は昇給に1年3カ月ほど先行 する。

人事コンサルタント会社、チャレンジャー・グレイ&クリスマス (シカゴ)のジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は「よ り給与の高い職への社員の転職」は経営者に報酬額の見直しを迫ると指 摘。自発的な退職者が増えると、会社は人材への投資により積極的にな ると解説した。

エコノミック・コンサルティングのコービー氏はその一方で、米経 済に「危機は迫っていないものの」従業員の入れ替わりや昇給に影響を 及ぼす恐れがある景気減速は予測困難だと指摘する。

コンバージEXのコーラス氏もまた、企業の利益率が拡大サイクル の現段階として平均を上回っているため、経営者は利益を犠牲にして人 員を増やすことに二の足を踏んでいると指摘した。同氏の試算によれ ば、ダウ工業株30種平均の採用企業は来年、平均2.4%の増収が予想さ れる。同氏の予想としては1月以来で最も低い。

「この状況で3%の人員増、もしくは賃金引上げに動くにはかなり 勇気がいるだろう」と同氏は述べた

原題:Coworkers Quitting Suggests You Get a Raise Next Year: EcoPulse(抜粋)

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