【今週の債券】長期金利の下限探る、日銀オペで-40年入札には警戒感

今週の債券市場で長期金利は日本銀 行の国債買い入れオペなどを背景に低下余地を探ると予想されている。 一方、前週の20年債入札が低調だったことから、今週実施の40年債入札 に対する警戒感が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが21日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.43-0.50%となった。前週は20年債入札が低調だったこと からいったんは0.515%まで上昇したものの、その後は買いが優勢とな り、前週末には0.455%と約1週間ぶり低水準を付けた。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、 「10年債は利回りが0.5%に乗せるとすかさず買いが入っており、先物 が限月交代の買い戻しを控えていることを考えると、相場は先週よりし っかりしそうだ」と言う。「超長期ゾーンはボラティリティが高く、売 られる時は大きく下がるが、日銀オペの買い入れ額が大きいので結局は 需給相場。徐々に金利の下限を切り下げる」とみる。

26日に40年利付国債入札が実施される。前回の7回債と銘柄統合す るリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.7%に据え置かれ る見込み。発行額は前回債と同額の4000億円程度。

40年債入札について、DIAMアセットマネジメントの山崎信人上 席ファンドマネジャーは、「本来、ダッチ方式の入札はそれほど危なく ないものだが、先週の20年債入札が大荒れとなってしまったことから、 それなりに警戒感は高まりそうだ」と言う。

SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「国 債市場のボラティリティは長期、超長期ゾーンでなかなか収束しない状 況が続いているが、今週は海外の大きな材料が少ないという点で、若干 の落ち着きもみられてくるかもしれない」と言う。一方、「海外市場で は感謝祭の休日を越えてくると、クリスマスシーズンの比較的ボラティ リティの上昇しやすい時間帯に向かっていく」と言う。

2年債入札

28日には2年利付国債の入札が予定されている。クーポンは0.1% に据え置きとなり、発行額は前回債と同額の2兆7000億円程度。前回10 月実施の入札では平均落札利回りが0.012%と過去最低となった。

新発2年物国債利回りは19日に初めてゼロ%を付け、これまで過去 最低だった0.005%を更新した。短期国債市場では需給逼迫(ひっぱ く)を背景にマイナス金利幅が拡大している。2年債入札もこうした影 響を受けて順調に消化されるとの見方が出ている。

市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先物は中心限月の12 月物、10年国債利回りは新発物の335回債。

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物12月物146円15銭-146円75銭

10年国債利回り=0.43%-0.48%

「26日の40年債入札までは警戒感が高い相場となりそうだが、それ を過ぎれば月末週ということで年限長期化のフローや27日の日銀国債買 い入れオペなど、需給が主導して金利は低下方向になりそうだ。28日発 表の消費者物価や鉱工業生産など月次統計は注目はされるものの、すで に日銀が追加緩和を行った後であり、指標への感応度は高くないだろ う。選挙や増税延期といった材料が一巡したことも、需給に目を向けや すくさせそうだ」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物12月物146円20銭-146円65銭

10年国債利回り=0.43%-0.48%

「中期ゾーンの買いの強さが10年債まで波及して売りは出づらい。 特に3年ゾーンの強さが目立っており、海外勢の買いや銀行の担保需 要、短期国債からの資金シフトと在庫がないところに買いが重なってシ ョートが積み上がっている。2年債は来年度の発行減額も見込まれ、入 札がマイナス金利になる可能性もないわけではない。超長期ゾーンの日 銀オペ1回と月末の年限長期化の買いも見込まれ、売られたところは買 っておきたい」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド

先物12月物146円10銭-146円60銭

10年国債利回り=0.45%-0.50%

「超長期ゾーンは金利の絶対水準や相対価値からは買いづらくなっ てきた。日銀の買いオペ増額を受けた需給引き締まりで、ショートカバ ーの圧力が強まったものの、足元の金利水準を踏まえると積極的には買 えない。利回りブル・フラット化もさすがに小休止しそう。10年債利回 りは追加緩和後のレンジの下限0.435%と上限0.535%の中間レベルで、 やや方向感なくもみ合う展開を予想。金利上昇時には投資家の買いが見 込まれ、相場が大きく崩れるとも想定していない」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎、酒井大輔 Editors: 崎浜秀磨, 山中 英典

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