続・アベノミクス相場、日経平均が優位に-大型株選好を映す

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追加金融緩和に始まり、消費税 率10%への引き上げ延期を受けて急伸した日本株市場。政府・日本銀行 によるデフレ脱却策の強化を受けた続・アベノミクス相場では、東証1 部全体の値動きを示すTOPIXに対し、円安進行の恩恵を受ける外需 企業の比率が高い日経平均株価の優位が顕著となっている。

日銀が追加緩和を決めた前日の10月31日から11月21日までの3週間 で、日経平均は11%上昇、JPX日経インデックス400が9.7%上昇し、 TOPIXの9.5%上昇を上回った。

TOPIXに対する他の2指数の優位は上場投資信託(ETF)の 資金流出入でも確認でき、1ドル=119円に迫る円安進行、安倍晋三首 相が消費税増税の延期と衆院解散を決めた11月3週(17-21日)に日経 平均株価型とJPX日経インデックス400型には計7億7600万ドルが流 入、1800を超す銘柄の値動きを示すTOPIX型からは4億1700万ドル が流出した。金額はブルームバーグ・データによる。

アムンディ・ジャパンの高野雅永チーフストラテジストは、「アベ ノミクスは日銀の資金供給を増やし、それが円安・株高につながって景 気を良くし、デフレから脱却する構図。通貨下落はデフレ脱却には良い 話だ」と言う。円安メリットは海外で営業展開する大企業の方が受ける ため、「大型株の多い日経平均が有利になる。TOPIXより日経平均 優位という状況は今後も続くだろう」と予想した。

ドル・円相場は、年初に付けた1ドル=105円40銭台の円安値を長 期にわたり抜けなかったが、9月にこれを突破。日銀が10月31日に追加 金融緩和に踏み切ると円安の勢いに弾みがつき、それまでの109円台か ら一時118円90銭台と2007年8月以来の円安水準に振れた。

SMBC日興証券株式調査部の西広市部長は、日本の7-9月期国 内総生産(GDP)が予想外の2期連続マイナスとなり、デフレ脱却を 確実にするため、将来的にはさらに「追加緩和があるかもしれない」と 話す。一方で米国景気は回復し、利上げのタイミングが意識される中、 為替はドル高・円安に進みやすいとみている。

厳しい内需、質への逃避も一因

7-9月期の実質GDP1次速報は、前期比年率1.6%減と市場予 想の2.2%増から下振れた。前期比0.4%減を項目別で見ると、在庫投資 の下押し寄与度がマイナス0.6%と大きく、設備投資は0.2%減。全体の 約6割を占める個人消費は0.4%増と伸び悩んだ。4-6月期は年 率7.3%減に下方改定されている。

大和証券の主要企業決算集計によると、製造業の4-9月期営業利 益は前年同期比7%増、通期会社計画は前期比6%増。内需系企業のウ エートが大きい非製造業はそれぞれ1%増、横ばいにとどまっている。 守田誠ストラテジストは、「外需の大企業中心に上場企業の業績をけん 引している構図があり、内需は業績的に厳しい。国内構成比が大きい中 小企業は、業績をエンジョイできていない印象がある」としている。

また、みずほ投信投資顧問の岩本誠一郎シニアファンドマネジャー は総選挙後に安倍晋三首相が政権を維持できた場合、経済対策で大規模 な予算手当ては見込みづらいため、企業に対するガバナンス強化の流れ が加速すると予測した。「TOPIX全体というより、流れはむしろ質 への逃避ということになる。アベノミクスの効果は大手が恩恵を受けて いるが、中小企業はまだだ」と指摘する。

注目集まるJPX日経400

日経平均と同様、JPX日経400のパフォーマンスもTOPIXを 上回っている。三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケットストラテジスト は、「TOPIXに流れるはずだった資金がJPX日経400に流れてい る」と分析。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がベンチマ ークに追加、日銀も新たにETFの買い入れ対象とし、「TOPIXよ りJPX日経400に需給面の注目が集まりやすい」と言う。

GPIFは4月、JPX日経400をパッシブ運用のインデックスの 1つに加えると発表。また、日銀は10月末の金融政策決定会合で、 ETFの年間買い入れペースを従来の年間1兆円から年間3兆円へ3倍 に増やした。さらに、ETFの買い入れ対象に新たにJPX日経400連 動型ETFを加えている。

野村証券によると、日本に上場している日本が主市場の全ての指数 連動型ETF・ETN(レバレッジとインバースは除く)の10月末残高 のうち、日経225型は6本で全体の48.6%、TOPIX型は4本 で41.6%を占める。残高では、日経225型がTOPIX型を上回る。

25日の東京株式市場では、日経平均が一時前週末比0.8%高の1 万7490円39銭まで上昇。JPX日経400は0.9%高の12895.74、 TOPIXは0.9%高の1413.27まであり、上昇率の点からはややこれま での修正が起こっている。

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