中国利下げ、最大の狙いは資産市場の底上げか-不良債権警戒

中国人民銀行(中央銀行)が利下げ に踏み切った背景には、過去9年間で最大の不良債権の増加という状況 があった。2012年以来2年ぶりの利下げは資産市場を底上げし、金融機 関を助けるとみられる。

今週発表された統計によると、10月の新築住宅価格は政府が継続調 査する主要70都市のうち67都市で下落、1-10月の住宅販売額は前年同 期に比べて約10%落ち込んだ。7-9月期の不良債権は2005年以来で最 悪の10%急増。ここ1週間の銀行債は軟調で、対国債スプレッドは拡大 している。

今回の利下げでは1年物貸出基準金利が0.4ポイント引き下げられ て5.6%。1年物預金金利(0.25ポイント引き下げ)より大幅な下げと なったのは、住宅ローンが標的になっていることを示唆している。中銀 はこれまで、特定の銀行に対する預金準備率引き下げで景気浮揚には充 分との見解を示し、9、10両月に合わせて7695億元(約14兆8200億円) を供給したことを確認していた。

クレディ・アグリコルCIB(香港)のアナリスト、ダリウス・コ ワルツィク氏は「貸出基準金利が住宅ローンと政策銀行の融資にしか適 用されないことを考慮すると、利下げの影響は主に、中国経済最大の弱 点になっている不動産市場に及ぶと考えられる」と分析。「特定の機関 を対象とした措置では十分ではなかった」と続けた。

13日に発表された統計では、10月に景気の減速がさらに深まったこ とが示された。10月の工業生産は前年同月比7.7%増と、2009年以来で 2番目に低い伸びにとどまった。小売売上高もエコノミスト予想に届か なかった。10日発表の10月消費者物価指数(CPI)は前年同月 比1.6%上昇。同月の生産者物価指数(PPI)は同2.2%の低下だっ た。

UBSの中国担当チーフエコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は「調 達コストと金融リスクを下げることが利下げの主な狙いだ」と指摘。 「景気減速とインフレで、実質金利はかなり大きく上昇した。企業のキ ャッシュフローとバランスシートが圧迫され、不良債権の増加につなが りかねない状況だ」と解説した。

原題:PBOC Targets Bad Loans With Rate Cut as Property Slump Deepens(抜粋)

--取材協力:Lilian Karunungan、Xin Zhou、Nicholas Wadhams、Matthew Brooker、Michael Patterson.

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