ECB総裁の量的緩和、苦悩に見合う恩恵見いだせるかが鍵に

バーナンキ前米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は退任直前に量的緩和について「実際には機能するが、 理論上はうまくいかない」と当意即妙に語った。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁がユーロ圏で検討する際には、大規模な国債購 入が実際面でさえも機能し得ないことを理解するかもしれない。

ドイツ当局者の間で見られる債券購入への反対論はさておき、経済 学の面からだけみても、この措置が通貨安以外にユーロ圏の新たな力の 源になる効果はほとんどないと言えるかもしれない。この点は、ドラギ 総裁とバイトマン独連銀総裁は21日のフランクフルトでの講演で検討す る余地がある。

ジェフリーズ・インターナショナルのエコノミスト、マーシェル・ アレクサンドロビッチ氏(ロンドン在勤)は「既に発表された政策に並 行して量的緩和が実施された場合、それによって間違いなく生じる政 治・法律・運営上の複雑さを相殺する上で十分な限界利益をもたらすと 見られるかは分からない」とコメント。「平たく言えば、その恩恵がこ うした苦悩に本当に見合うかどうかだ」と語った。

この点が問われるのは、債券利回り低下や通貨安、株価上昇といっ た量的緩和に伴う効果の多くがユーロ圏で既に起こっていることも一因 だ。また、各国の硬直的な経済もプログラムの有効性を低下させる可能 性がある。

ドイツが長年反対している中で、こうした点はECBができるだけ 長く量的緩和に抵抗する理由になり得る。バイトマン独連銀総裁は国債 購入が財政政策と金融政策の境界線を不明瞭にすると指摘している。ド ラギ総裁は21日午前9時(日本時間午後5時)に、バイトマン氏はその 2時間後に同じ会場で講演する。

原題:Draghi’s QE Question Is Whether Benefits Are Worth the Headache(抜粋)

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