円反発、下落テンポ速過ぎるとの財務相発言で-一時117円前半

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東京外国為替市場では円が反発。麻 生太郎財務相が円の下落テンポが速過ぎると発言したのをきっかけに、 円を買い戻す動きが優勢となった。

ドル・円相場は1ドル=118円台を割り込み、一時117円36銭まで円 買いが進んだ。その後はじりじりと値を戻し、午後3時10分現在は117 円96銭前後。前日には日米の景況格差や金融政策の方向性の違いを背景 に、2007年8月以来の円安値となる118円98銭を付けていた。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、財務相発言に ついて「急激な変動は好ましくないというのは以前も言っていたことだ が、このところかなりのテンポだったのにもかかわらず、出てこなかっ たことで市場はもう上値めどがつかなくなるような過熱する動きを見せ ていた」と指摘。ようやく発言が出てきたことで、急速な円安にとって は「一定の歯止めにはなると思う」と話した。

ユーロ・円相場も前日に08年10月以来の円安水準となる1ユーロ =149円14銭を付けたが、この日の東京市場では148円台を割り込み、一 時147円47銭まで円買いが進行した。同時刻現在は147円94銭前後。円は 主要16通貨全てに対して上昇している。

麻生財務相は21日の閣議後会見で、この1週間の相場について「円 の下がり方のスピードのテンポは速過ぎる。それは明らかだ」と述べ た。また、円安や円高の急激な変動について「歓迎すべきではない」と 語った。同時に、為替は市場が決めるとして「介入してどうのこうのと いう話ではない」とも話した。

みずほ証の鈴木氏は、「山高ければで、5円ぐらいの幅でそれなり の調整が入る可能性はある」とし、115円程度までドル安・円高が進む 可能性を指摘。116円80銭付近にある一目均衡表の転換線を「しっかり 割ってくると、トレンドが転換してきたという雰囲気になってくる」と みる。

衆院選

衆議院は21日午後に解散した。衆院選は12月2日公示、14日投開票 の日程で行う。安倍晋三首相が進めてきた経済政策「アベノミクス」を 継続するかどうかなどが争点となる。

ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジス ト(ロンドン在勤)は、与党優勢というメーンシナリオは引き続き変わ らないが、「それほど自民・安倍首相にポジティブではないかもしれな いとの見方」が浮上したとし、前日にドル・円が119円目前で下げたの は、日本の政局を意識したポジション調整が入ったためだと説明する。

朝日新聞が19、20日に実施した全国緊急世論調査では、安倍内閣の 支持率が39%と発足以来の最低となった。不支持は40%と過去最高を更 新し、初めて支持と不支持が逆転した。

この日は海外時間に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の講演が 予定されている。総裁は17日の議会証言で、見通しが悪化した場合に ECBが取り得る行動の一つとして国債購入を挙げている。

後藤氏は、12月第1週の米雇用統計やECB会合までは、日本の世 論調査など政局絡みの材料が注目されると予想。もっとも、「トレンド として対ユーロ、対円でドルを買いたいという来年に向けての基本コン センサスは変わらない」と指摘している。

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