債券は上昇、流動性供給入札で需給の良さ確認-超長期ゾーン買い優勢

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債券相場は上昇。外国為替市場での 円安進行や米国債下落を受けて売りが先行した後、流動性供給入札で需 給の良さがあらためて示され、買いが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比6銭安の146円24銭 で開始。いったん5銭高に上昇した直後に売りが膨らみ、13銭安の146 円17銭まで下落した。午後に入ると水準を切り上げ、一時は12銭高まで 上昇した。終値は6銭高の146円36銭だった。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、米長期金利の上昇 や一段のドル高・円安など外部環境はアゲンストとしながらも、債券は 需給がサポートし、「短中期の金利押し下げ圧力が強く、結果的に長期 や超長期ゾーンも買われやすい地合いだ」と話した。「超長期ゾーンは 足元で値幅が拡大するも、追加緩和後に利回りは下方シフト。来年度の 増発観測はあっても金利上昇時には着実に買いが入る」とも言う。

日本相互証券によると、新発10年物国債の335回債利回りは前日午 後3時時点の引値比1ベーシスポイント(bp)高い0.48%で開始 し、0.465%まで低下した。5年物の121回債利回りは前日に付けた2週 間ぶり低水準の0.115%に並んでいる。20年物の150回債利回りは1.5bp 低い1.22%。30年物の44回債利回りは一時1.375%と昨年4月以来の低 水準を付け、その後は2.5bp低い1.39%。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額4000億円)の結果 では、募入最大利回り較差がマイナス0.011%、募入平均利回り較差は マイナス0.015%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は5.00倍 と昨年6月25日以来の高水準となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、流動性供給入札は応札倍率が上昇するなど順調な結果となり、債 券相場を支えていると説明した。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペの結果によると、残存 1年以下の応札倍率は2.16倍と前回から低下。一方、1年超3年以下 は2.65倍、3年超5年以下は2.96倍と、いずれも前回からやや上昇し た。

前日の取引で一時、過去最低のゼロ%を付けた2年物の346回債利 回りは、午後になってようやく横ばいの0.005%で取引が成立した。

2年債利回りがマイナスを付ける可能性について、JPモルガン証 券の山下悠也債券ストラテジストは「1年物の短期国債もマイナス金利 になっていることから、2年債利回りのマイナスは否定しづらい」と話 した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、短国金利のマイナス化 がより長い年限に波及し始めているが、この流れで相場を買い進むこと には限界があるとし、あす見込まれる日銀短国オペを見極めたいと指摘 した。「追加緩和の目的の一つは、資金供給策の比重を長期国債オペに より移すことで、短国オペの負担を減らし、短国金利のマイナス化が進 行して市場機能が低下することを防ぐことであったとみる」と言う。

19日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比4bp上昇 の2.36%で引けた。ドル・円相場は1ドル=118円台と2007年8月以来 の円安値を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した10月開 催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録から米国が利上げ方向に 動いているとの見方が強まった。

--取材協力:Masaki Kondo.

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