イタリアの「侵略」にスイス人怒る、毎日繰り返される死活問題

フランコ・アグストーニさんは朝の 一服を楽しもうとバルコニーに出た。イタリアとの国境に近いスイスの ビッソーネにある家のバルコニーからはルガーノ湖の景色が楽しめたも のだが、このごろは車の列しか見えない。イタリアから毎日スイスへ働 きにやってくる労働者の大群だ。

スイスでは今年の国民投票で、移民流入に上限を設定する案が賛成 多数で可決された。30日にはこの上限を年間で人口の0.2%とするかど うかの投票が行われる。

イタリア語圏のティチーノ州に国境を越えて毎日やってくる「フロ ンティア労働者」たちは移民としてカウントされないものの、州民の感 情を悪化させている。

「このあたりのサービスセクターは侵略されている」と、イタリア 国境まで数メートルのキアッソの街のカフェでエスプレッソを飲みなが らアグストーニさん(66)は話した。「大学を出た若い人たちがもう職 を見つけられない。雇用主がコストがそれほどかからないイタリア人を 選ぶからだ」と憤慨する。

ティチーノ州にはイタリアから約6万人が越境通勤。この地方の労 働人口の約3分の1に相当し、2月の国民投票で同州は移民規制への賛 成票が68.2%と全国一高かった。

州議会のイグナツィオ・カシス議員は「移民問題についての認識は ティチーノでは国内の他の地方と全く違う」とし、主たる懸念は労働市 場であって、スイスのドイツ語圏で懸念されるアイデンティティではな いと説明。「われわれにとっては死活問題だ」と話した。

原題:Italian ‘Invasion’ Has Swiss Fuming as Immigration Vote Looms(抜粋)

--取材協力:Catherine Bosley、Carolyn Bandel、Giovanni Salzano.

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