タカタ製エアバッグ、全米にリコール対象を拡大-当局が指示

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不具合が指摘されているタカタ製エ アバッグ問題で、米当局は運転席側の搭載車両について、全米規模への リコール拡大を求めた。従来は多湿地域を対象としていたが、最近の不 具合事例は、それ以外の地域で発生したため。

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の現地時間18日付の発表 資料によると、リコール拡大に関する通知は、タカタとその搭載車両メ ーカーの自動車10社が対象。この問題では運転手5人の死亡との関連性 が指摘されている。

今回の判断は多湿地域以外で最近発生した事故について検討した結 果という。NHTSAはタカタと自動車メーカーが全米規模のリコール に早急に応じない場合、法的強制力の行使も辞さないとした。

元NHTSA局長のジョアン・クレイブルック氏は自動車メーカー などがリコールの地域を限定していたことについて、「不適切でばかげ ている」と指摘。「車を運転する人は常に別の地域に移動している」と 述べた。

トヨタ自動車で北米事業を統括するジム・レンツ氏は現地時間18 日、昨年からのタカタ製エアバッグ不具合による一連の自動車リコール について、問題のインフレータ(膨張装置)を正常品に取り換えるよう 作業を加速していると、ロサンゼルス自動車ショー会場でインタビュー に話した。タカタには正常品の供給を急がせており、できるだけ早急に 取り換えたいとした。トヨタでは全米規模のリコールを進めており、限 りのある正常品を多湿地域から優先的に交換しているという。

各社がコメント

ホンダ広報担当の建部輝彦氏は、米当局から正式の通知を受け取っ ていないが、業界全体で取り組んでいるインフレータの調査や、今後の 対象拡大の可能性を含めて継続的にNHTSAに協力していくとコメン ト。日産自動車・広報担当の井下寿丈氏は、米当局から通知を受け取っ ていないと述べた上で、問題となっている運転席側のエアバッグは別の メーカーからのものを使っていると語った。

一方、タカタ広報部門の責任者のアルビー・バールマン氏は英文の 電子メールで米当局の判断に対する声明を送付。タカタは全ての安全問 題に引き続き迅速に対応しており、リコールが適切で、その必要性があ れば全米に拡大することに同意するとした。

その上で、バールマン氏は、多湿地域以外から回収された約1000の 助手席・運転席のインフレータを調べた結果、破裂したものはなかった と指摘。全米規模のリコールを実施すれば、交換用エアバッグが必要な ところに供給されず、生命を危険にさらす恐れもあるという。科学的な 分析・判断に基づいたリスクの存在が示されれば、適切なリコールの拡 大に対応する用意はあるとした。

上院公聴会

リコールが全米規模へ拡大した場合の影響について、野村証券の新 村進太郎クレジットアナリストは19日の電話取材に、今回は運転席側エ アバッグのみを対象としており、現時点では台数や費用は助手席の分だ け低い水準にとどまるとした。新村氏は10月24日付リポートで全米規模 への拡大で対象台数は2000万台超まで増え、追加費用が1000億円を超え ると試算、タカタは財政上厳しい状況に追い込まれると指摘していた。

米上院商業科学運輸委員会は現地時間20日にリコール問題に関連し て公聴会を開き、ホンダとクライスラー・グループ、タカタの幹部が証 言する予定。

米国ではNHTSAが10月下旬に一連のタカタ製エアバッグ関連の 自動車リコール問題で、部品交換の迅速な対応が必要とする対象台数を 大幅に上方修正していた。現地時間21日の発表によると、780万台の所 有者に対して迅速な対応を促した。当初の約470万台からは、クライス ラー、フォード・モーター、三菱自動車などの車種を追加した。

タカタ株の19日終値は前日比7.4%安の1099円となり、年初来 で64%の下落となっている。

--取材協力:Jeff Plungis、Jeff Green、Craig Trudell、Ma Jie、Jamie Butters、城塚愛也、内田良治.

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