日本株小高い、118円円安で輸出堅調、東レ急伸-寄り付き天井

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東京株式相場は小幅高。日米金融政 策の違いから1ドル=118円台と7年ぶりの円安水準を更新し、収益上 積み期待で輸送用機器やゴムなど輸出関連株が堅調。トヨタ自動車の燃 料電池車に炭素繊維が採用された東レは急伸し、繊維製品は東証1部33 業種の上昇率トップ。

TOPIXの終値は前日比1.10ポイント(0.1%)高の1397.64と小 幅に3日続伸。日経平均株価は12円11銭(0.1%)高の1万7300円86銭 と小幅に反発した。日経平均は、118円高だった始値がきょうの高値と なる寄り付き天井で、上値の重い1日だった。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・イ ンベストメントマネジャーは、足元の円安水準は「まだ企業業績に織り 込まれておらず、株価の上昇余地は残る」と指摘。ただ、消費税増税の 先送りと衆院選実施を好感した部分は「既に大部分織り込まれてしまっ た」とみている。

19日に公表された米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の10月28 -29日開催分議事録では、政策金利を「相当な期間」ゼロ付近で据え置 くとの声明文の維持をめぐり、幅広い議論が行われたことが分かった。 最終的に、利上げタイミングは今後の経済データに左右されることを強 調する文言を加える、との一部参加者の提案が採用された。また、米商 務省が発表した米住宅の着工件数の先行指標となる建設許可件数は、10 月に前月比4.8%増の108万件と2008年6月以来の高水準だった。

これに対し日本銀行は、前日の金融政策決定会合で大規模緩和策の 維持を決定。為替市場では前日の海外市場でドル買い・円売りが先行、 その流れを受けたきょうの東京市場では一時1ドル=118円71銭まで円 安が進んだ。前日の東京株式市場の終値時点は117円29銭。

下げ場面、選挙までレンジ相場か

きょうの日本株は上昇して始まったものの、朝方の買い一巡後は失 速。TOPIX、日経平均ともマイナスに転じる場面があり、特に午後 はこう着感を強めた。東証1部の売買代金は前日に比べ1割以上減っ た。水戸証券の須田恭通投資情報部長は、「日銀の金融緩和策第1弾の 時も、日経平均の25日移動平均線からの乖離(かいり)率が10%に近づ くと頭が重くなっていた」と言う。

日経平均の前日時点の25日線からの上方乖離率は7.2%、前週末に は10%に達した。5%を超すと目先過熱、10%超で天井圏を示すとされ る。また、日経平均の予想PERは16.3倍。ブルームバーグ・データに よると、米ダウ工業株30種平均の15.6倍、英FTSE100の14倍、仏 CAC40の14.8倍などを上回る。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、衆院選まで は動きにくく、「日経平均で1万7000-7500円のレンジ相場」と予想し ている。消費税率10%への引き上げを当初の来年10月から1年半延期す ることを18日に表明した安倍晋三首相は、あす21日に衆院を解散する。

東証1部33業種は繊維や鉱業、海運、輸送用機器、水産・農林、ゴ ム製品、食料品、ガラス・土石製品、その他製品、石油・石炭製品な ど20業種が上昇。その他金融や不動産、電気・ガス、証券・商品先物取 引、保険、パルプ・紙、情報・通信、卸売など13業種は下げた。

売買代金上位では東レのほか、サクサホールディングスやマツダ、 ホンダ、KDDI、富士通、岩谷産業、日産自動車、セイコーエプソ ン、NECが高い。半面、ソフトバンクやケネディクス、三井不動産、 東京海上ホールディングス、東京電力、コマツ、オリックスは安い。東 証1部の売買高は24億5324万株、売買代金は2兆2440億円。値上がり銘 柄数は788、値下がりは883。

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